妄想族さん総合



ティーンズラブごっこ
 作:妄想族


 杉本隆夫と石川光希は出身校も所属する部活も違ったが、席が近くなったのがきっかけでゲームという同じ趣味もあって友人となった。光希の家は学校から近かったので、隆夫が下校時に立ち寄ってゲームに興じることが多い。
 二人がはまってるのは狩りゲーで、人数が多いほど戦術の上でも有利だから、隆夫が近くにできた中古ゲームも扱ってるレンタルビデオ屋で買った中古のソフトを与え、光希も狩人としてデビューさせた。そして光希と連携すると、互いに苦手な分野をカバーできて隆夫が一人でやってた頃よりはるかに大物の相手を狩って、キャラを強く出来た。
 光希はカギっ子なので食生活も変わった部分があった。隆夫がそれを知ったのは、初めて大物を狩るのに成功した際の祝杯の時だった。それは、ファミレスやネットカフェでドリンクバーが普及してからは珍しくなくなったジュースのブレンドを自宅でも行ってることで、親が見たら注意するであろう行為も、目が届かない時間があるのをいいことに、近所にある酒屋で手に入れた安くなったジュース数種類と、妹が好きなゼリーやプリンまで混ぜるという過激な試みもなされていた。

「逃げられたな」
「今回は追い詰める方法がわかっただけでも収穫だ。祝杯をする覚悟もできてなかったし」

 二人は携帯型ゲーム機の電源を落とした。光希の家でゲームするようになってから、隆夫は学校に持ち込むリスクを犯さなくて済む。一方の光希も、彼自身の充電器の調子が悪くなってからは、隆夫が平日は充電器を置いていってくれるおかげで自分のゲーム機も充電できた。

「最近露骨に嫌がるな……酒に始まってコーヒーだって、混ぜることで美味くなることは歴史が証明してる」
「調合はゲームの中だけにしてくれ。回復したり、暑さや寒さに強くなるから役に立つ」

 光希は、ブレンドとは安くてもおいしさを楽しめる手段だと力説するが、隆夫は紅茶派であるし、狩りにおける戦闘こそが酒も飲めず風俗にも行けない身でも、手頃で最も心躍る娯楽と考えていた。

「実はな……あるんだよ。調合によっては不思議な効果が」
「下痢か?それとも便秘か」
「信じてないな!驚く効果だぞ」
「じゃあ、レシピを言ってみろ」

 気前のいい隆夫にはいろいろ感謝していたが、若い割に視野が狭いと光希は感じていたので兄妹の間で生まれた偶然の産物について語り始める。

「半分は杏子が知ってる」
「そういえば、お前の妹に一度も会ったことないぞ。実在するのか?」

 光希の家は古い集合住宅なので、隆夫には大所帯に見えなかったし、玄関の靴以外に光希の妹の存在を意識させるものを直接目にしたことがなかった。

「そのレベルから疑ってるのか? 俺が妹と瓜二つになれるって効果なんだ」
「へー、どうやって」
「ジュースとゼリーを混ぜたのを飲むんだよ」
「幻覚剤か? 俺はそんなもん飲まんぞ」
「俺が飲まないと効果ないんだ。飲んでから、重なることで形状データが上書きされる」

 光希と違って隆夫の女の姉弟は歳の離れた姉だし、光希がたまに夢で見た光景を話す事があったので、彼の言葉にまじめに取り合う様子はない。

「で、妹はどこにいる?」
「そろそろ、帰ってくるんじゃなか?」
「どっちから来るんだ」
「中学はあっちだからな」

 隆夫は玄関から外に出ると、部屋のある三階の廊下から駐車場を隔てた歩道を見下ろす。後から出てきた光希は、冷静に説明した。

「意外と歩いてるな」
「あの辺りに三人いるだろ、あの真ん中が妹だ」
「さっぱり分からん」

 光希には見覚えのある母校の制服でも、隆夫の出身校とは違うし、着こなしや髪の色などひと目で分かる個性もないので関心が下がる。隆夫は郊外の住宅地に住んでたので、校則を守るより多少逸脱して個性を反映させた都会的な風貌に憧れを持っていた。

「実在するんだよ」
「それはよかった、じゃあ帰ってくるまでワンセグでも見てるわ」
「いいだろ、そこはテレビで」

 隆夫がテレビを見ている間に杏子が家に帰ってくる。光希は杏子に事情を話すと、早速台所で二人して変身効果のあるジュースを作り始めた。

「見ろよ、これがそうだ」
「いろいろ混ぜたら黒くならないか?絵の具ではそうだったぞ」
「絵の具は飲めないだろ、赤でいいんだ。じゃあ、変身してくる」

 光希は完成したジュースを隆夫に見せる。隆夫は足音が一人分増えてるのを聞いてたので杏子が帰ってきたのは知っていたが、成功するのか怪しいと思っていた。
 杏子は自分がいるとトリックと思われると感じたし、隆夫のクセのある人格を兄から聞いていたので、いちいち会って話すのもウザいと思ったのか、「コンビニに行って立ち読みでもして時間を潰してくる」と言って家を出た。

「どうよ?」
「どうって、俺もな…部活に似た顔のやつが一人いてな、先輩の中にはひと目で区別できないのがいるんだよ。身長が違うだろって…」
「どうでもいい話してんじゃねぇよ!びっくりするところだろ」
「光希だな、そのツッコミは」
「嫌な確かめ方だな」

 杏子が予想通り地味で、ブスではないがいろいろ物足りない少女だったので、隆夫のリアクションは控えめだった。
 彼が中学生の頃は同級生の女子の私服姿を見ただけでも興奮したが、それはトップクラスの美少女だったからであった。風呂あがりのような格好では、いささか雑に見えて少女の華やかさを感じられないことへの不満を隠し切れない。

「なんですかぁ?その思わせぶりな衣装は」
「だから、これは…」
「脱げや!この妖怪チビ毛布がッ」
「ひにゃああぁ」
「なんだ…その、マッパだな」

 隆夫は男にも女にもいる名前というだけで簡単に女になれたのが信じきれずに暴挙に出るが、豊満でないながらも股間に突起の欠片もない紛うことなき女体を目にすると困惑する。

「別に隅々まで見せるためにバスタオル巻いてるんじゃないぞ、全裸で十秒ほど重ならないと変身できないんだ」
「3秒ルールじゃないんだな」
「それよりさ、すごいと思わないか?」
「別に、貧乳はタイプじゃやないし」
「見てるの、そこかよ!」
「いや、なんか…妹の自慢みたいで誰得かよって思うだろ」

 光希はバスタオルを取り返して再び巻くと、目を合わしてこない隆夫に対して言った。

「だったらさ、もしこの杏子をコピーした身体でお前をイカせられたら…言うこと聞けよ」

 秘伝を披露して妹の裸体まで晒すことになったのに称賛すら得られないのは、ゼリーとジュースのブレンドに心血を注いできた者としての面子に関わるので、光希は自分でも大胆と思われる提案をする。

「何が目的だ、杏子の肖像権侵害なら黙っといてやる」
「肉を食わせろ、お前が焼いてな!もちろんお前持ちで」
「スタミナがすぐ減るのは走り過ぎも原因だ。俺は火から上げるタイミングを計るのヘタだぞ。コゲるのと生焼けのどっちがいい?」
「ゲームじゃねえ!リアルでだ」
「ヘルスの代金にしては安いほうだ。そのままじゃさ…萌えられないだろ…だからさ、ほら…」

 原理を知らない隆夫は、どうせ変身するなら人気AV女優にと思ってた位なので、未成熟でさほど好みでもない少女でおまけに中身が友人となると、ときめきもあったものではない。そこで光希に耳打ちして、面白みのないセミロングからヘアスタイルを変えるように要求した。

「へ〜!ツインテールがお好みとは……人は分からんものですなぁ」
「それと、言葉遣いも何とかしろ。見た目はなりきれても、二人羽織みたいだ」

 ようやく隆夫が変身した自分を異性と意識しているのが感じられ、嬉しくなってからかったのだが、光希は更に切実な要望を出される。
 ニヤニヤしながら妹の部屋から取ってきた髪ゴムでオタ好みの高い位置でツインテールを作った。

「こっち、こっち」
「おいっ」

 隆夫は光希に手を引かれてリビングに連れて行かれると、そのままソファーに座らされる。

「リラックスしてね」
「もう何がなんだか…」
「ちゃんとギンギンにしなさいよ!べ、別に…早くイッて欲しいから言ってるんじゃないからね」

 光希に制服のズボンと下着を一度に脱がされた隆夫はまだ興奮していなかった。

「メタいな」
「手コキしてあげるって言った途端にピンコ立ちってのも恥ずかしい?」
「まだ現実感がないっていうか…」

 好みの髪型になった杏子が自分の性器を握って扱いてる光景は献身的に見えたが、感触としてはオナニーの際と勝手が違うのと、完全に勃起してない状態で少女の小さい手での刺激は物足りなかった。

「実は皮オナニーしか知らないから尻込みしてたのかと…」
「お前こそ、手だけじゃ無理だから舐めてくれって頼むと引かれるかなって…」
「それだったら、大丈夫」

 ツボは心得てるので、いくつかの動きをおりまぜて快感を送り込むと、隆夫は勃起と呼べる状態になってきて堅さと熱で光希に示すが、亀頭への刺激が足りないことは言葉で伝えた。光希は初めてであったが、身長の違いが齎す視野の違いに始まって髪の量の違いや女性の体特有の丸みや柔軟性も女装とは比べ物にならないレベルなので、記憶以外は身も心も妹になりきってAVで見られるように亀頭を舐めながら手コキのスピードを上げる。

「もっと…感じていいよ…杏子だって…しちゃうんだから」
「あっ…なんか…すごくエロい…」

 光希はバスタオルだけなのを良い事に、左手を秘裂に伸ばすと指でなぞったり擦り始める。痴態を見せることで相手をも悶えさせる手段で、自らも興奮を高めてより淫らでしつこい舌の動きを繰り出す。

「もうこんなにガマン汁たらしちゃって…エッチね…自分でするより…ずっとイイでしょ…はぁん」
「ああっ…もっと口で」
「らめぇ…指が止まらない!ああん…もうイッちゃう!あぁぁぁぁ!」

 妹と同じ体が濡れてるのを感じると、一層乱れて右手と同時に左手も動かす。光希はきゅっと目を閉じて数回痙攣して脱力した。

「お前がイッてどうするんだよ」
「女のカラダになると…意識もそっちよりになるんだ。子宮がそうさせるのかな」

 光希も童貞だし、指先だけでの摩擦は陰核による刺激はで男性的な快感と絶頂で、思わず動きがストップすると、隆夫も中折れのような状態になって興ざめする。

「なんだ、その…このままイッたらイッたで、杏子ちゃんと顔合わせた時になんか気まずくなるしな…」
「神経質はインポの元だぞ、トイレ行ってくる」

 隆夫がティッシュで我慢汁と唾液が混じったのを拭いてからパンツとズボンをずりあげると、まだゴミ箱に入れられてない使用済みティッシュを持って光希は照れくさそうに便所に行く。

「…戻ったか」
「最初は驚いたけど、成分が身体から出たら戻るって分かりやすいだろ」

 トイレから戻ってきた光希を見て隆夫はなぜか安心した。小柄な少女から自分より背の高い少年の姿を目にしたからだ。

「俺さ、杏子ちゃんでヌイた事ないから…ムラムラする土台がないんだ」
「そういう誠実アピールはいらないって」
「じゃあ明日カツサンド買ってやるから、賭けとか無かった事に…」

 隆夫はむしろ杏子の姿で大股開きでオナニーしてくれたほうが自分で好きなように扱いてヌケるのではと感じたが、目を合わせてこない光希に直接言うことは出来なかった。

「アレの可能性はこんなもんじゃないんだ。肉とかもういいから埋め合わせさせてくれ」
「今度は誰になるつもりだ? かーちゃんでも確実にヌク為に本物のかーちゃんとかシャレにならないぞ」
「ロリの次は熟女ってそんな極端なマネしねーよ。要するにお姉さん的なキャラならいいんだろ?」
「まあ、な」
「だったら日曜日まで待て。なんとかなりそうだ」

 互いに遠慮してたり押しが弱いので文字通りままごとレベルに終わったが、光希の心は折れていなかったし、隆夫の好みも考慮に入れた女体で更に濃厚な行為なら勝機はあると判断していた。






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