精神移動(その3)

作:マロエ



吾郎の家はとても汚かった。

「吾郎さん、遊びに来たよ!」
吾郎の精神が入っている恵は絵里を引っ張って、一人暮らしの男性の家にあがりむ。

二人の女子高生の靴下には、黒い埃やゴミが付着していく。
普段の二人なら、つま先で歩いたり、部屋に入ったりはしなかっただろう。

だが、吾郎の精神が入ったことによって、あまり気にならなくなったのかもしれない。

台所兼玄関を抜けて小さな部屋にはいると、成人男性が一人眠っていた。
「吾郎さん寝てるし、帰ろっか?」
絵里は戸惑いながらそんなことを言う。
家具はベッドと机とテレビだけの小汚い部屋の真ん中で、二人の女子高生はベッドの吾郎を見ていた。
カップラーメンの食べ残しや、缶ビールのゴミが部屋の隅々にある。どこかカビくさい部屋。

「……もぅ、まだそんなこと言ってるの? 私は吾郎さんの精液飲むんだから……」
と、そこまで言って、いい事を思いついたのか恵は、
「それとも、絵里のエッチなお汁飲ませてくれる?」
と絵里に抱きついた。
「な、なに言ってるの・・・・・・?」
「デパートで知らない女とレズエッチ楽しんだんでしょ? 親友の私とは出来ないっていうの?」
「な、なんでそれ・・・・・・ひゃん!」
恵は絵里の後ろに周り、ダウンジャケットとシャツの中に一瞬で手を入れ、ブラジャー越しに胸を救い上げるように持ち上げた。

さっきまで絵里になっていた吾郎には絵里の感じるところが手に取るようにわかる。
的確にそこを刺激していく。
「ん…っ、え、ちょ、恵・・・・・・んぅ」
絵里が振り返り、困惑の表情で恵を見つめるが、無視して胸を揉み続ける。
「ぅ……ちょ、ちょっと……あぁ、ん、んん・・・・・・」
指を立てて、ブラジャーを捲り上げ、乳房をトントントンとゆっくり押していく。
吾郎は細い両指を虫の様に使う。徐々に早く強く、それでも強すぎないように指を動かす。

プルプル震えながら真っ赤な顔をしても抵抗をしない絵里は、吾郎の精神によってレズエッチが好きになったのだろうか。
知らない女とできたのだから親友とも出来るものなのか?
それとも、的確に感じるポイントを触る絵里に翻弄されているだけなのだろうか。

そっと滑るように指を這わせて、胸の頂点へと向かっていく。。
乳首まで指を這わすと、親指、人差し指、中指の3本の指で、軽くつまんで引っ張る。
「あぅん…っ!」
その瞬間絵里の背が仰け反った。

その快感を思い出した吾郎――恵のアソコがじゅんと濡れてくる。

そのまま軽く圧迫しながら転がすように左右に回転させていく。
「ん……はぁ…んんっ…」
吾郎のなすがままの絵里。
ピンっと乳首をはじいて、乳房の下からすくいあげるように揉みしだく。
「あんっ!……ぁ…ぁ…」
「ふふふ」
気がつけば恵に邪悪な笑みがこぼれていた。
だが、うつむいて感じてる絵里はその笑いに気がつかなかった。

(そして、ここでお前はイク!)

手のひらで胸をつかみながら、親指と人差し指で乳首を転がすように掴み上げる。
「や、あぁ……んんぅ! ああぁ…………っっ!!」
吾郎の想像通りに絵里は軽くイき、体の力が抜け恵に体を預けるようにもたれかかってきた。

調子にのった吾郎は、胸を触っていた右手を滑らせて、おへその下、ショートパンツのボタンを外し、ジッパーを下げる。
黒タイツの中に手を入れ、湿ったショーツを触ろうとした時――。

「ピンポーン」

「ち、だれだよこんな時に」
立ち上がり、吾郎はドアを開ける。
そこにはさっきのデパートのエレベータガールが立っていた。
両手にはたくさんの袋。おそらく大人のおもちゃがはいっているのだろう。

「そういや、頼んでいたな、すっかり忘れた! ちょうどいいや、もらうよ」
吾郎はエレベータガールから荷物を受け取り、スカートからパンツだけ脱ぎ、双頭バイブを自分の濡れた股間につきさした。
「あ、ぅぅん……こりゃいいや!」
ミニスカートが捲れ上がり、バイブが顔をだしている。
「さてっと、あ、エレベータガールさんはもう帰っていいよー」
「は、ぃ……」
「……と、待った、お腹すいちゃったからお弁当買ってきてよ!お金はこれね!」
恵の財布から適当に金を抜きとると、エレベータガールに渡す。
そして、精神を飛ばし、命令する。
エレベータガールは今度は、吾郎のいきつけのコンビニへと向かって行った。
知らない場所や知らない事も、吾郎の精神を送ることによって、相手に伝えることができる。
これをうまく使えば、社会に貢献できるかもしれない。
吾郎は今一瞬そんな事が頭によぎったが、女性の快楽には勝らないかと、エレベータガールを見送り、扉を閉めた。


「誰だったの?」
荒い息を吐きながら潤んだ瞳で絵里が言う。
「これを届けてもらったのさ!」
両手でピラっとスカートをつまみ股間を突き出す。
そこに見えるものに絵里は戸惑う。
「え、恵、それって……?」
「双頭バイブだよ! これで一緒に気持ちよくなろうよ!」
服を脱がすのがもどかしくなった吾郎は、絵里の黒タイツを千切りパンツをずらして、バイブを濡れたアソコへと突き刺した。
「あ、ひゃあぁあ、んんぅ」
瞬間絵里の背筋が仰け反り、激しい喘ぎ声をあげる。
「ん、ひゃぁんん」
吾郎もバイブが強く股間に押し込まれ、体を震わせる。
バイブを使い一つになった事に感動した吾郎はゆっくりと腰を動かし始める。

「レズエッチ最高だな……まじで……」
「あぁ、恵……んんぅ」
女子高生二人の喘ぎ声は薄い壁を超えて、家の外に確実に漏れていただろう。
両隣の部屋の住人は壁に耳を当て、盗み聞きしているだろうと吾郎は予想している。
そんなやつらにもサービスするため、吾郎は激しく腰を振る。

自分の――恵の声でいやらしい言葉を使う。
「あぁん、最高! レズエッチ最高ぅぅんんっ!! おま○こ気持ちいいよぅ! もっと、もっとぉぅ! んんっ、声でちゃうー!」
その声を聞いて絵里も声を荒げる。
「恵、わ、私も気持ちいい、そろそろ、い、いきそう……っっ!!」

そして、二人は同時にその場で絶頂を迎える。
「「あ、あぁぁんん! い、いくぅぅ〜〜〜…………っっ!!」」

その声を聞き、両隣の男性も、もしかしたら……。


しばらく二人で余韻に浸っていると、またピンポーンとベルがなった。
吾郎は、ゆっくりと立ち上がり、バイブを抜き取った。
「ん……っ」
「あっ、ん」
絵里と恵は顔を同時に歪める。
そして、二人でにこっと笑みを交わすと、吾郎は振り返り、玄関へと向かった。
次の精神移動の相手はもう決めてあった。






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