艦隊憑依記 2 吹雪編A
 作:憑依好きの人



部屋に入るとそこは吹雪の生活空間だった。
入って左手にはシーツとブランケットが綺麗に敷かれたベッドが、右手にはきちんと整頓された机と隣に本棚が置かれていた。本棚に至っては五十音順に書籍が並べられており、綺麗に清掃された部屋全体が吹雪の真面目で几帳面な性格を物語っていた。

「へえ、『私』って結構きちんとしてるんだぁ」

他人事のように呟きながら机の引き出しを開けてみると吹雪が書いたと思われる日記が入っていた。

「ああそっか。さっき『私』が言っていたのはこれのことか」

最初のページからめくっていくと、吹雪が鎮守府に着任してから今までの出来事が書かれていた。
初めて提督に会った時のこと。
初の出撃で敵と遭遇した時のこと。
MVPを取った嬉しさのあまり大はしゃぎした時のこと。
戦闘で無茶をして大破し、撤退を余儀なくされ艦隊に迷惑をかけてしまったこと。

「この日記のおかげでだんだん『思い出して』きた」

その後のページでも嬉しかったこと、悲しかったこと、悔しかったこと。
そして人には知られたくない悩みが赤裸々に書かれていた。

「そうそう、『私』って司令官のことが好きなのに今の関係を壊したくないからってアプローチできてないのよね。あんな優男色仕掛けで手籠めにしちゃえばいいのに」

提督を尊敬しているはずの吹雪がほくそ笑みながら言う。
一通り読み終えると吹雪は本を閉じ、ベッドに腰かけた。

「大体のことは『思い出せた』けど、完全に『私』になるためには全部『思い出さ』ないとね!」

普段の吹雪なら絶対に浮かべないであろういやらしい笑みを浮かべると、両手を自分の控えめな胸に乗せ、制服の上からさわさわ撫で始めた。

「んっ……」

触っている感触と触られている感触の両方の感覚を楽しむ。指を押し込むと胸から「ふにっ」とした反動が返ってきた。

「ふふっ……小さいけど柔らかい」

吹雪は嬉しそうに言うと今度はその掌に収まる程度の胸をゆっくりと揉み始めた。最初は大きく優しい動きだったが、感じ始めたのかだんだんと荒く激しいものになっていく。

「はぁ……はぁ……おっぱい気持ちいい……」

胸から発せられる快感に酔いしれていると掌に小さな突起が感じられた。

「気持ちよくて乳首が勃ってきちゃった。こっちはどれくらい気持ちいいのかな?」

そう言いながら両手の親指と人差し指で挟むように摘まんだ瞬間、背中に電気が走った。

「んあっ!……なに、今の…….?」

恐る恐るもう一度指に力を入れる。

「んあぁっ!き、気持ちいい……!おっぱいよりも気持ちいい!ふぁぁっ……」

身体が火照りだし、服の上からではだんだんと物足りなくなった吹雪はセーラー服の上着を脱ぎ、スカートを降ろした。すると白い下着姿の彼女が現れる。上下の白が彼女の若く瑞々しい肌を引き立ていた。よく見るとほんのり上気しているのが分かる。

「ふふ、『私』らしい真面目で可愛い下着。カラダもすらっとしてて綺麗……興奮しちゃう」

自分の身体を見下ろしながら言うとブラジャーの下に手を入れ直接乳房を触る。ダイレクトに伝わる感触を楽しみながら胸を寄せて小さな谷間を作ってみたり、桜色のつぼみを上から押し込んでみたり、指で弾いたりした。すると身体がますます熱くなっていく。

「あん!はあんっ!手が止まらない……!止めたくない!んぁっ、はあっ、あっ……あっ!」

気が付くと左手がより強い快楽を求めて股間へと降りていく。パンツに手を入れて毛がまだ薄い恥丘をまさぐっていると、ふいに指が小さな突起に触れた。

「っっ!!!!」

身体が大きく跳ね、一瞬目の前が真っ白になった。
この世のものとは思えない快感が自分を襲った。それを一瞬遅れて理解すると、理性が一気に崩れ去った。再びその突起触れると包皮が剥け更に強い快感を発し始めた。指が小豆を擦る動きに変わっていく。

「ひゃああああん!あっあっあっ!はぁっ!……はぁあっ!……はあああんっ!」

白いパンツはとうに愛液でびしょ濡れになっており、ベッドのシーツに水たまりができている。しかしそんなことは気にもせず吹雪は息を荒げ快感を貪っていく。勢い余って指が膣のなかに入り、出し入れすると更に刺激が強くなる。「ぐちゅっぐちゅっ」と卑猥な水音が部屋中に響いている。その音さえも今の吹雪にとって興奮を高めてくれる心地のいいものになっている。

「あんっ!ああんっ!『私』のカラダってこんなにっ……はあんっ!エッチだったのね…...!真面目な顔して実は淫乱だったなんて……司令官に合わせる顔が、あぁっ!……ないぃ!でもいいの!『私』は『俺』になるからあんな奴どうだっていいのぉ!ああぁぁんっ!!」

吹雪は完全に快楽の虜になっていた。恥ずかしげもなく喘ぎ声を上げる。口からはだらしなく涎が垂れ、目の焦点がどこにも合わなくなっている。やがて快感が最高潮に達し、身体が危険なほど激しく震え始めた。

「あああん!何かが来るっ!!きちゃう!はぁあああんっ、『私』の全てがっ、あっあぁっ!『俺』に、奪われちゃうううぅっ!!も、もうっ!だめっ!!」

最後に右手で思いっきり乳首を摘まみ、親指でクリトリスを擦りながら指2本を膣に突っ込んだ。

その瞬間――――――

「あっ…………ああああああああああああああああぁぁぁっ!!!」

吹雪の身体が弾けた。背中を限界まで反りガクガクと震える。膣からは大量の愛液が噴出した。その姿に普段の吹雪の面影はどこにも残っていなかった。
やがて全身が脱力し、ベッドに身を預ける。吹雪はしばらくゼェゼェと息を荒げていたが、しばらくして上半身を上げた。呼吸を整えると口角を吊り上げ邪悪な笑みを浮かべて言った。

「ふふふふ……これで『私』が『俺』。今なら『私』のことが手に取るように分かる……!『私』の声、カラダ、記憶、感情さえも全部『俺』のもの……!今日から『俺』が!駆逐艦『吹雪』だ!!はははははっ!!」

吹雪の声を使い狂喜する「男」。その左目から男同様青白い光が出ていた。
吹雪の身体を絶頂させることで霊体を定着させ、彼女の全てを奪い取ったのだ。男が吹雪の記憶を使い彼女を装えば、他の艦娘のみならず提督さえも彼女が彼女でなくなったことに気づかないだろう。男の頭のなかは征服感で埋め尽くされていた。

「さてと、せっかくだし寝るまでにこのカラダをもう一度堪能するか……!いっぱい喘がせてやるからな!ヒヒヒ……」

そう言うと吹雪は再び身体をまさぐりだし、快楽へ身を沈めていった。






時刻は23時。外は夜の闇に飲まれ、鎮守府は消灯時間になっていた。
それまで幾度となく絶頂を繰り返した吹雪はベッドで横になっていたが、ふとあることを思い出した。

「そうだ!今日の日記を書かなくちゃ!」

そう言って立ち上がると机の椅子に腰かけ、日記のまだ白紙のページを開いた。鉛筆を手に取ると日付と文章を書いていく。楽しそうに笑顔を浮かべながら日記を書く姿は普段の吹雪となんら変わりなかった。

「できた!」

15分程度で日記を書き上げた吹雪は嬉しそうに言うと、そのまま寝間着に着替えて寝支度を済ませ就寝した。




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○○月××日
今日は午後の出撃で敵艦隊の旗艦を沈め、わが艦隊が見事勝利を収めることができました!
勝てたことはもちろん嬉しかったけど、なにより司令官に「よくやった」と誉めてもらえたことが嬉しかったです。
ウキウキしながら部屋に戻ると「私」はカラダを乗っ取られました。
さっきまで褒められて嬉しかったはずなのに「俺」に乗っ取られた途端にそんなことはどうでもよくなりました。
興味があったのは「私」が「俺」になることだけです。
自分のカラダに興奮しながらオナニーをして、何度も何度もイキました。
おかげで「私」と「俺」はひとつになり、「俺」が「吹雪」になりました。
こんなに嬉しいことはありません。
今までここで築き上げてきたものをぶち壊すのが楽しみで仕方ありません。
明日からのことを考えるだけで股間が疼いてしまいます。
待っててください司令官。これからこの「吹雪」が司令官を絶望の底に突き落としてあげますからね。





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