セクシー・ドール(後)
 
訪問者を告げるチャイムが鳴った。ベットの中でマリとなった徹は布団を頭から
被って居留守を決め込んだのである。
 
「宮崎さん居るんでしょ?開けてください」
「・・・・・・」
「宮崎さ~ん」
 
隣近所に知れてしまうことを恐れた徹はドアのところまで移動しドア越に言った。
「すみません、帰ってください」
「そう言うわけにはいきません。あなたも、そのままじゃ困るでしょ?」
「・・・・・・」
「悪いようにはしませんから、ここを開けてください」
「なんにもしないって約束してくれますか?」
「もちろん、貴方の意志に背くような行為はしません」
「ほんとうですか」
「はい、そんなことをしたら犯罪ですから」
「わかりました」
 
徹はドアの鍵とチェーンを外すとそっとドアを開けた。
 
「協会の佐山と申します」
 
差し出された名刺を徹は受け取った。
 
「よろしいですか?」
 
佐山は徹を押しのけるように部屋に上がり込もうとしたのである。大きな佐山に
圧倒されるように徹は身を引いてしまった。実際には徹の背が低くなったのだが、
身長が低いことに慣れていない彼には佐山の巨漢は脅威であったのだ。
 
「あの~、僕は勘違いしていたんです」
「そうなんですか」
「はい、だから、、もとに戻してください」
「そう言われても、モニタリングの申し込みの時に書いてあったハズですが?」
「えっ?」
「モニタリングの条件として、5回の体験をしていただくと」
「だから、それが間違いだったって」
「・・・・そうですか・・・仕方ないですね」
「もとに戻していただけますか?」
「・・・・ちょっと、調べさせてください」
「なにをですか?」
「服を脱いで」
 
佐山の手が徹のスエットにかかった。
 
「えっ?・・・なにもしないって言ったじゃないですか!」
「状況を調べないと、もとには戻せないですよ」
「・・・・・」
 
仕方なく、徹は上半身を佐山の前に曝け出した。
 
「手を下ろして頂けませんか?」
 
佐山はバストを隠した徹の手を外した。
 
「・・・・・」
「恥ずかしいですか?」
「・・・・・」
「ちゃんと答えて!女性化進行状況を確認しているんです」
 
徹は黙って頷いた。
 
「うん?どうなんですか?黙っていたのでは解りません」
「・・・恥ずかしいです」
「そうですか、そうとう進んでしまってますね」
「・・・・・」
「ちょっと失礼」
 
そう言うと佐山は突然、徹の乳首を摘んだのだ。
「あっ・・・」
「感じます?」
「・・・・・」
「しっかり、答えてください」
「痛い」
「う~ん、すでに神経もすっかり同期化してますね」
「・・・・・」
「これはどうですか?」
 
そう言うと佐山は徹の両乳首を指で愛撫しだしたのである。
 
「あっ。。。あ~」
「どうですか?」
「やめてください」
「どうして?」
「・・・・・」
「はっきり言って下さい。先ほども申し上げました。」
「・・・・・」
「いいですよ、答えなくてもわかります。腰が動いてますよ」
 
徹の透き通るような顔が赤くなった。腰がクネクネ動きだしてしまったのである。
 
「すっかり、宮崎さんはマリと同期化してますね」
「・・・・・」
「約束ですから、嫌がることはしません」
「・・・・・」
「乳首から手を離しますか?マリさん」
「駄目!離さないで!」
 
徹は自分の口から発せられた言葉にびっくりした。一瞬、思ったことを口にして
しまったのだった。
 
「なにをしたいんだ?」
 
佐山が徹に尋ねた。
 
「答えなさい。マリさん」
「佐山さんのオチ○チンがほしいです」
 
一瞬、徹は女性がペニスを挿入される感覚を知りたいと思ってしまったのである。
 
「おいおい、いきなりかよ(笑)」
「だって、ほしいんだもの」
「駄目だ、そう簡単には、あげない」
「いじわる~、じゃ、どうしたらいいの?」
「考えろよ」
 
徹の中のマリが勝ってに話を進めてしまうのである。僕は牧瀬真理にフェラをさせた
事を思い出してしまった。
 
「じゃ、お口で舐めさせて・・・」
 
そう言うと徹は佐山のズボンのファスナーを下ろし、パンツの中に手を入れた。
徹の可愛い手の中で、佐山のペニスが大きくなって行く。はじめての感覚が手を通して
伝わった来たのである。今までは握られる感覚が強く、オナニーをしても握る感覚が、
こんなに鮮明には伝わって来たことはなかった。
 
「優しく、やってくれよな」
「はい」
 
目の前で佐山のペニスは爆発しそうなほど凛々しく立っていた。そっと徹は口をペニスに
近づけペロペロと舐めはじめたのである。
(おいおい、僕は何をしてるんだ?)
 
「どうだ?美味しいか?」
「うん」
 
徹は両手で佐山のペニスを握り先をペロペロと嘗め回した。手の中で佐山が膨張しピクピク
しているのがわかる。
 
(感じてくれてる・・・)
そんな気持ちが徹の中で嬉しさとなっていった。いつのまにか佐山の手が膨らんでいる徹の
乳房を弄っていた。
 
「あっ、あ~」
「うん?どうした?感じるのか?」
 
徹はもっと佐山を感じさせたく、口の中にペニスを咥えた。感じていることの合図かのように、
佐山は徹の乳首を摘んだのである。全身に電気が走ったような痙攣を感じた徹はペニスで塞が
れた可愛い口から、声にならない呻き声を漏らしてしまったのである。
 
「うぐぅっぐぅ・・・・。。。」
「どうだ?感じるか?」
 
佐山は徹の股間に手を忍ばせて来たのである。腰を引いて佐山の手から逃れようとする徹であるが、
心の何処かで期待しているマリがいたのである。
 
「だめ・・・・」
「駄目?」
「もう、、濡れてると思う」
「あはは、もっと感じていいんだよ。それがモニタリングなんだからね」
 
佐山の指が徹(マリ)の秘部を捕らえた。
 
「ああぁぁ・・・」
徹は声を出している自分に羞恥心を感じた。そしてそれが、より自我を開放しているようでさえあった。
 
(感じてる・・・)
「マリは淫乱女だな・・・」
「だって、感じるんだもん・・・意地悪っ」
「腰がさっきから、クネクネしてるぞ!」
「あぁぁ・・」
佐山の指は的確に徹のクリトリスを愛撫していた。
 
「おねがい・・・」
「うん?」
「もっと・・・・」
「もっと?」
 
徹の頭の中は、全身にジワジワと高揚する感覚に悩まされていた。すでに極限に達しているようで
モヤモヤした感覚がクリトリスを中心に広がっていたのだ。
男性としての徹より女性としてのマリに代表される下腹部が、ペニスの進入を求めているのである。
 
「お願い・・入れて・・・」
「よしよし・・・」
 
 
徹は全身が火照っていた。佐山はすでにスーツを着ていたが、徹はすでに体内に無いハズのペニスを
感じたまま、ずっと余韻に浸っていたのである。
 
 
あの日から一週間が経過していた。徹は会社に出社することも出来ない為、協会の人に父親を名のって
もらい、田舎に帰って入院するとの連絡を入れ、長期休暇を取得していた。すでに4回のモニタリング
を終了し、今日が最後のモニタリング日である。
 
徹は4回のモニタリングで気がついたのだが、「マリ」と言われて命令されると、それがどんな状況で
あっても身体が火照ってしまい、Hな気分になってしまうのであった。これが協会で言うセクシードール
のモニタリングのようであった。
 
2回目の相手は明らかに不細工な男で徹(マリ)の好みとはとても思えない相手であったし、3回目は
70歳を過ぎたおじいさんを相手にした。4回目は女性を相手にレズビアンの猫役として感じていたのである。
 
そして今日は5回目であった。
 
「こんにちは・・・マリさんですか?」
「はい、トオルさんですね?どうぞお入りください」
 
「マリ」という一言で、徹の身体にはすでにスイッチが入り全身が火照りだしてしまっていた。
徹は自分の高揚を押さえる為に飲み物をすすめたのだ。
 
「なにか、お飲み物でも?」
「うん?・・・じゃビールでも貰おうか」
「はい」
 
徹が冷蔵庫の扉を開け、ビールに手を掛けると後ろから男が抱きついて来たのである。
 
「えっ?」
「何を焦らしているんだよ」
「そんなぁ~」
「もう濡れてるんだろ?」
「やめてくだ・・・」
 
振り向く徹の唇を男は自分の口で塞いだのである。
 
「うぐっぅぅ・・・」
 
男は強引に自分の舌で徹の唇を抉じ開けたと思うと、大量の唾液を流し込んできた。
そして口の中で生温かい男の液体が広がった。
 
「うううぅうぅ・・」
 
唾液を飲み込むと徹は自ら舌を男の中に入れた。すでに秘部は湿っていたのだ。
男は慣れた手つきで、徹の着ていた衣服をいつのまにか脱がせてしまっていた。
 
「あぁ・・ベッドで・・お願い」
 
すると、男は徹から身体を離し、自分で冷蔵庫を開け、ビールを手にしたのである。
 
「??・・どうしたんですか?」
 
全裸にされた徹は独りだけ取り残された感じである。男の視線に徹は犯されているのだ。
 
「別に・・・・今日はそんな気分じゃないんだ」
男はそっけなく告げた。
 
「そんな・・・・・・私を脱がせておいて、意地悪!」
「あはは、そんなに男が欲しいのか?」
スイッチの入ってしまっている徹は頷いた。
 
「淫売だな、おまえ・・」
「だから・・お願い・・・ベットで」
「どうしようか?見ていてやるから、自分でしろよ」
「そんな~」
「そうそう・・いいものがあったな」
 
男は冷蔵庫からソーセージを取り出すと徹に手渡したのである。
 
「?・・・・」
「わかるだろ?使い方」
「嫌っ・・トオルさんので・・」
「駄目だ」
「・・・」
 
「俺の前でオナニーをしろよ。見せてくれたら、本物を食べさせてやるよ」
「・・・・」
 
頷くと徹は右手で自分の乳房を揉みながら、左手のソーセージを陰部に擦りつけたのである。
男はニヤニヤしながら眺めているだけであった。
 
「恥ずかしい・・・」
ソーセージが徹の下腹部にめり込むと
 
「よく見えないな・・もっと股を開けよ」
「・・・・」
言われる通り徹は股を開いた。陰毛のない徹の秘部はソーセージを咥えているところを隠すことなく
披露していた。
 
「もう、いいでしょ?」
「駄目だよ。もっと真剣にやらなきゃ、牧瀬真理」
「えっ?」
 
「この状況、・・・覚えてないか?」
「真理?」
 
以前、徹は恋人として付き合っていた牧瀬真理にオナニーをさせ、デジタルカメラで撮ったことがあるのだ。
 
「ちゃんとカメラももって来たよ。笑」
「牧瀬真理?なのか?」
「やっと思い出したんだぁ?」
「どうして・・・」
 
「すっかり、女の子になっちゃたみたいね。徹さん」
「・・・・・」
「それも・・すごく淫売女!」
「・・・・・」
「覚えてる?・・徹さん、あの日のことを会社でペラペラ皆に話したでしょ!」
 
そう言うと、持っていたカメラで全裸の徹にフラッシュを浴びせたのである。
 
「あはは、ソーセージを咥えてるところがよく撮れてるわ」
「やめろ!」
「うん?そう言えば、私もあの時、そう言ったわね。でも徹さんは止めてくれなかった」
 
徹の中の「マリ」は消滅していた。
 
「あの時は真理だって、楽しんでいただろ?」
「まさか~、変態じゃあるまいし。徹さんが喜ぶと思ったからしたのよ」
「・・・・」
「それを、他人に話すなんて、最低!」
 
徹は脱がされた服を床から拾い上げ、身に着けようとした。
 
「なにしてるの?服を着ていいなんて言ってないわよ」
 
そう言うと男となった真理は徹をベットに押し倒したのである。
 
「離せ!」
 
ドスを効かせたつもりの徹であったが、発せられた声はカ弱い女の子の声であ
った。
 
「私もそう言ったわね。笑、なんだか同じ展開でデジャブー現象みたい」
「・・・・」
「もっとも、立場は逆だけど」
「わかった。僕が悪かった」
「だから?」
「だから・・・放してくれ」
「徹は女の子になったんだから、(放してください、お願い♪)でしょ?」
「はなして・・・さい・・」
「うん?聞こえないなぁ」
「・・・・放してください。お願い♪」
「だめ~っ。笑」
「・・・・」
「確か、あの時は・・・こんな事をされたんだっけ」
 
そう言うと真理は徹の中へソーセージを強引に押し込もうとするのである。
「痛いっ・・・」
「ほらっ、力を抜かないと痛いぞ」
「・・・」
少しずつ挿入されている事が感覚として徹にもわかった。
 
「ほらほら」
真理は、あの時の出来事を再現しているのであった。徹は諦めて抵抗を止めたのである。
 
「うんうん、素直に感じればいいんだよ」
「・・・・・」
「観念したみたいだね」
 
そう言うと真理は徹から離れ、再び写真を撮ったのである。
「徹、おちん○んが生えてる!笑」
 
真理は徹の秘部から出ているソーセージを指して言ったのであった。徹の目から涙が流れ出た。
あの時の真理と同じである。
ただ、好奇心で真理の身体を弄んでいた自分が・・・その時の真理の気持ちをわからなかった
ことが情けなかったのである。
 
突然、下腹部に挿入されていたものが、抜き取られた。
 
「ごめん、私・・・なにやってるんだろ」
「・・・・・」
「女の子の気持ちを知ってるのに徹と同じことをするなんて」
「ううん、僕がわるかったんだ・・・・しかたない・・・。」
「徹は、女の子の気持ち、知らなかったんだもの、仕方ないよ」
「・・・・・今はわかるような気がする」
 
真理の顔が徹の顔に近づくと、徹はそっと目を閉じた。軽く真理の唇が、徹の唇に触れた。
それが合図かのようにお互いの唇は激しく求めあったのである。
徹の中から暖かいものが込み上げて来て全身を包んだ。
 
「あぁ・・・・・うっぅ・・」
真理のモノが徹の中で凛々しく、そして激しく動いている。徹は女として、数えきれないほどの
オルガニズムを感じていた。
 
「あうっ。。。駄目~、、変になちゃう」
徹の中から「マリ」はすっかり消滅していたのであるが、襲ってくる快感が徹をすっかり変えて
いたのである。
真理の動きが速くなった。
 
「あぁぁぁあ~・・」
徹の目の前が真っ白となったと思うと、真理の重い身体が覆い被さって来た。
徹は朦朧とする意識の中で大きな真理の身体を抱きすくめたのである。そして余韻の海の中に
沈んでいった。
 
 
電話のベルが鳴った。協会の佐山からの電話である。
 
「貴重なモニタリング報告、ありがとうございました」
「いえ」
「商品開発の参考にさせていただきます」
「はい」
「継続してご使用になる場合はアフターケアーも万全にさせていただきますがどうなさいますか?」
「是非、継続させてください」
「かしこまりました。後日、細かいご相談にお伺いいたします」
「よろしくお願いします」
「それでは失礼いたします」
 
そう言うと電話は切れた。
 
「これでいいんでしょ?」
 
徹は横にいる真理に話し掛けた。
 
「うん?あぁ・・・・」
真理も数時間前に協会と同じような会話を終えたばかりだったのだ。
 
「でも、これからは君が真理で僕が徹だからな」
「うん」
徹は真理の言葉に素直に頷いたのである。
 

 

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