秘密のコンタクトレンズ「ピンポイントコンタクトレンズ」(後編)
 
 
 
 

にぎやかな通りに出ると、すぐにカラオケボックスが目につく。
良晴が歩いていくと、すでにカラオケボックスの前に立っている芳雄を発見した。
まさかこの場に良晴が現れるとは思っても見ないはず。
良晴はニヤニヤ笑いながら芳雄の元に歩いていった。
芳雄は珍しく髪を綺麗に固めて、普段では見たことのないかっこいい服を着ている。
よほど永子を意識しているのだろう。
そんな芳雄の前に現れたのは、Tシャツにジーパン姿の、いたって普通!の良晴だった。
 

芳雄:「あ、あれっ!良晴っ。な、なんだよ。どうしたんだ?こんなところに現れて。」
 

かなり動揺しているようだ。
なんせ、今から永子と会う約束をしているのだから。
良晴は吹き出しそうになりながら片手をひょいとあげて挨拶すると、ゆっくりと近づき、耳元でそっとささやいた。
 

良晴:「お・ま・た・せ!」
 

良晴が永子の声でささやく。
 

芳雄:「・・・・・・」
 

目が点になっている。どうやら固まってしまったようだ。
 

良晴:「どうしたの?早くカラオケボックスに入ろうよ。ねっ、芳雄っ!」
 

永子の声で良晴が話しかける。
芳雄は何がどうなっているのか分かっていない様子。
どうして良晴が永子の声でしゃべっているんだ・・・・
 

良晴:「何だまりこくってんだよ。電話でずっと話してただろ。お前、まさか永子と話していると思ってたのか?」

芳雄:「・・・・う・・・うそだ・・・・」
 

芳雄の顔が、スッと青ざめた。
 

良晴:「やっぱりそうだ。ははははっ!俺の演技はすごかっただろ!」

芳雄:「よ・・・良晴だったのか・・・あの電話・・・」

良晴:「ああ、そうだよ。この永子の声を使ってお前と話をしたんだよ。セクシーだっただろ!」

芳雄:「・・・・ふ・・・ふざけんなよっ!」

良晴:「お前が言ったんだぜ。このコンタクトレンズを試してみてくれよって。」
 

良晴がコンタクトレンズをはめている自分の目を指さしながら芳雄に言った。
 

芳雄:「コンタクトレンズ・・・なっ・・・・そ・・・それで永子の喉をコピーしたのか!」

良晴:「その通り!こんな使い方もあったんだよ。気付かなかっただろ。」

芳雄:「・・・・・全然気付かなかった・・・」

良晴:「だろ。感謝しろよ。」

芳雄:「・・・そ、それにしても、あんな事言わなくてもいいじゃないか。俺、1人で馬鹿みたいだろっ!」
 

怒るのも当然の話。
男心をもてあそばれたのだから・・・
 

良晴:「そう怒るなって。気付かないお前のほうも悪いんだぜ。あのクラスのアイドル、永子がお前に告白すると思うか?」

芳雄:「そ、それは・・・・・お、思わないけど・・・」

良晴:「なっ。そこで気付くべきだったんだよ。俺がイタズラしてるってさ。」

芳雄:「そんな事言ったって、いきなり永子の声で話かけられたら誰だって永子だと思うさ。お前だって逆の立場だったら絶対疑わないって。」

良晴:「そうかな。気付くと思うけど。」

芳雄:「気付かない、気付かないって。」

良晴:「う〜ん。どうかなぁ。まっ、そんな事、どうだっていいじゃないか。それよりカラオケボックスに入ろうぜ。
         永子の声でデュエットしてやるから。なっ!」
 

芳雄:「そんな事されても全然うれしくないさ。」

良晴:「そう言うなって。研究の成果を直(じか)に聞いてみろよ。受話器から聞くのと、直接「生」で聞くのとでは全然違うぜ。
          開発者として、その辺、きっちり調べておく必要があるんじゃなのか?」
 

開発者という言葉を言われると、すんなり断るわけにも行かないのが辛いところだ。
 

芳雄:「し、仕方ない・・・聞いてやるよ。」

良晴:「そうこなくっちゃ!」
 

という事で、二人はカラオケボックスに入って行った。
 

店員:「お二人様ですか?」

芳雄:「はい。何時間歌いたんだ?」

良晴:「そうだな。2時間くらい。」

芳雄:「じゃ、2時間で頼むよ。」

店員:「・・・・・・あ・・・・は、はいっ!2時間ですね。お部屋に案内しますので・・・」
 

女性の店員は、目をキョトンとさせている。
良晴の口から出た声は、どう考えても男の身体に似合わないかわいい女性の声だったのだから!

別の店員のあとをついていく二人。
案内された部屋で良晴が早速、歌を選曲し始めた。
 

良晴:「永子の声になったんだ。やっぱり女性ボーカルの歌を歌わないとな。」

芳雄:「勝手にしてくれ。」

良晴:「お前だって聞きたいんだろ。永子の歌声を。」

芳雄:「そりゃ聞きたいけどさ。お前の姿で歌ってもなぁ・・・」

良晴:「そう言うなって。え〜と・・・・よし、この曲にするかっ!」
 

良晴がリモコンで番号を入力すると、じきに有名女性グループの伴奏が流れ始めた。
マイクのスイッチを入れて歌う準備をする。
 

良晴:「あ〜、あ〜、へへ、どうだ?スピーカーから聞こえる永子の声は。」
 

マイクを通して大きくなった永子の声は、小さな部屋中に響き渡る。
声だけ聞いていると何ともうれしい感じがするのだが、その声の主は良晴。
やっぱり嫌だ。
 

良晴:「あ〜、あなたの事だけを〜・・・・思い出しながら〜・・・」

芳雄:「何だよそれ、下手くそだなあ。」

良晴:「なんかいつもと音域が違うから歌いにくいんだよ・・・それぞれの〜・・・愛した〜・・・あれぇ?」
 

いつものように歌えない。
自分の声のキーが変わったせいで、いつもどおり歌っているつもりなのに全然違う感じがする。
しかも、音程を制御しにくいため、とても音痴に聞こえる。
 

芳雄:「全然ダメじゃないか。」

良晴:「ちょ、ちょっと待ってくれよ。慣れるまで時間がかかりそうだから。」
 

そう言うと、音程が外れたまま歌いだした。
 

芳雄:「折角の永子の声が・・・」
 

がっくりしながら下手くそな歌を聴いている・・・・が、次第に音程のずれがなくなってくる。
徐々にコツをつかみ出したようだ。

自分でもそれが分かった良晴は、うれしそうに調子よく歌っている。
芳雄は良晴を見ずに、座ったままゆっくりと目を閉じた。
瞼の裏に、永子の姿を思い浮かべて映し出す。
 

学校で楽しそうに笑っている姿・・・
体操服を着てパレーボールをしている姿・・・
身体の線がはっきりと分かる水着を身につけ、プールで泳いでいる姿・・・
 

そんなことを想像しながら、良晴が歌っている歌を聴いていた。
すると、それとなく今、永子と一緒にカラオケボックスに来ているんだという気分になってくる。
 

芳雄:「そうか・・・・良晴を見ないで永子のことだけを想像して聞いていればいいんだ・・・・」
 

そう思うと、だんだんと楽しい気分になってきた。

一方、良晴は満足そうにマイクを握り締めて歌っていた。
こんな曲、普段なら恥ずかしくて歌えないが、今日は堂々と歌える。
心をこめながらマイクに声を浸透させる。
男の声なら出ない音域も、永子の声なら難なく出す事が出来る。
裏声だってこんなに簡単に出す事が出来るのだ。
慣れてきたせいもあって、かなり完璧な裏声。
 

自分の声に酔いしれながら最後まで歌い終わった良晴。
 

良晴:「なあ芳雄。もう1曲歌ってもいいか?」

芳雄:「別に構わないよ。俺、歌いたい気分じゃないし。」

良晴:「そっか、悪いな。それじゃあしばらく歌わせてもらってもいいか?」

芳雄:「ああ、いいよ。その代わりさ。永子の声の間は女言葉を使ってくれよ。」

良晴:「女言葉?」

芳雄:「そう。さっき電話をかけてきたときのようにさ。出ないと俺、全然面白くないし。」

良晴:「そんなことか。別にいいぜ。その方がお前もうれしいよな!」

芳雄:「まあな。目を瞑って永子のことを想像していれば、本当に永子と話している気分になれるんだから。」

良晴:「なるほど、そう言うことか。それなら思いっきり永子のマネをしてやるから。」
 

そう言うと、また別の曲を入力する。
 

良晴:「ねえ芳雄。あとでデュエット歌おうよ。永子、芳雄と一緒に歌いたいな。」

芳雄:「あ、ああ。いっしょに歌うか。」

良晴:「やったぁ。絶対だよぉ!」
 

永子の甘えるような声をスピーカーから響かせる。
芳雄が目を瞑りながらにやけている。
 

良晴:「ふふ。芳雄・・・大好きだよ。」
 

良晴が目を瞑っている芳雄を見ながらからかう。
しかし、本当に永子から言われてみたいだ・・・
良晴が言っているのは知っているが、それでもうれしい気分になる。

また良晴が楽しそうに永子の声を満喫しながら歌う。
芳雄は目を瞑ってじっとその声を聞いていた。
 

・・・・5曲は連続して歌っただろう。
 

結構疲れてきた良晴はテーブルにマイクを置いて、椅子にどかっと座り込んだ。
デュエット歌うのはどうなったんだ?
 

良晴:「はぁ、疲れた。堪能したって感じだわ。」
 

忘れずに女言葉を使う良晴。
 

後ろで流れるBGMを聞きながら、二人が話を始める。
 

芳雄:「なかなか素晴らしい発明だな。ピンポイントコンタクトレンズ。」

良晴:「そうね。いろいろイタズラできるもんね。」

芳雄:「まあイタズラはともかく、こんな使い方できるとは思ってなかったからな。」

良晴:「ねえ芳雄。あれから何か使い道考えたの?」

芳雄:「いや。ただ1箇所だけコピー出来るんだったら、自分が嫌だと思う顔の一部を
          別の人の部分に変えることで解決できるんじゃないかなっておもってさ。」

良晴:「それってどういう事?」

芳雄:「例えばさ。鼻が低くて嫌な人が、高い人の鼻をコピーすれば解決するわけだろ。
          口だって出来るしさ。でも目は片方しか出来ないか・・・」

良晴:「むずかしいね。使える範囲が狭いから。」

芳雄:「そうだな。1つしかないところならコピーのし甲斐があるな。」

良晴:「そういう点で、前のコンタクトレンズの方がいいと思うな。」

芳雄:「うん。でも良晴が面白い使い方してくれたから納得したよ。これからこのコンタクトレンズは
         声をコピーする事を専門にして売り出そう。」

良晴:「また商売のネタにしようとして。」

芳雄:「開発には金がいるのさ。」

良晴:「それはそうだろうけど・・・・」

芳雄:「しかし今日はがっかりしたなあ。ほんとに永子が俺のこと好きなのかと思ったぞ。」

良晴:「じゃあ聞いてみれば?」

芳雄:「ダメに決まってるだろ。別にいいんだよ。電話の内容、録音したから。」

良晴:「うそぉ。ほんとに?」

芳雄:「あの会話、ほんとにドキドキしたんだ。まさか永子があんな事言うなんて思っても見なかったから。
          聞き逃さないようにすぐに録音ボタンを押してたんだよ。」

良晴:「それで脅迫できたりして!」

芳雄:「そんなことするわけ無いだろ、お前じゃあるまいし。」

良晴:「へへ、そうだよねっ。」

芳雄:「さて、もう歌わないのか?それなら帰って寝るけど。」

良晴:「あ、もうちょっと歌わせてよ、あと10曲くらい。」

芳雄:「あと10曲って・・・勝手にしろっ!」

良晴:「ありがと!」
 
 

・・・そう言いながら、本当に10曲歌いきってしまった。
 

終了時間を告げる電話がなり、二人は部屋から出る。
 
 

芳雄:「結局デュエット曲、歌わなかったな。」

良晴:「あっ!忘れてたっ。」

芳雄:「そんな事だろうと思ったよ。別に歌わなくてもよかったけど。」

良晴:「ま、今日はいいでしょ。今度は永子本人として来てあげるから!」

芳雄:「PPZ−4086のことを言ってるのか。」

良晴:「うん。」
 

受付でお金を払うと、二人は建物の外に出た。
 

芳雄:「最近さ、ただ乗り移るだけだとつまらなくて。」

良晴:「どういう事?」

芳雄:「自分のやりたい様に出来るだろ。それって始めは楽しいけど、だんだんと飽きて来るんだよな。」

良晴:「贅沢な事言って・・・」

芳雄:「それはそうなんだけどさ。もう少し刺激がほしいよな。そういう意味では、今日は刺激的だったか・・・」

良晴:「ふ〜ん。そういうものなんだ。」

芳雄:「どんな刺激的な事でも、慣れてしまえばその感動は薄れてくるだろ。」

良晴:「そうね・・・・」

芳雄:「そういうことさ。じゃ、この辺で帰るとするよ。明日も学校あるし。」

良晴:「うん。じゃ、また明日学校で!」

芳雄:「ああ。」
 

芳雄が小走りで家路に向かう。
良晴も、芳雄の後姿を少しだけ見送ったあと、自分の家に戻った・・・
 

部屋の中で・・・・
 

良晴はまだコンタクトレンズをつけたままだった。
親の話にもろくに返事をせず、部屋の中で録音機能つきMDに向かって一人永子の声を録音する。
相変わらず変な事ばかり言って・・・
 

良晴:「これを使っていろんな女性の声を採取するっていうのも面白いな・・・」
 

そう思いながら、ベッドに横になったのだ。
 

良晴:「ああ・・・そう言えば政美はどうしているかな・・・」
 

何曲も歌ったせいで、かなり疲れている良晴。
眠気に襲われ、静かに目を閉じ深い眠りに入っていった・・・・
 
 
 

・・・・次の日
 
 
 

無言で朝食を食べ終え、学校に登校した良晴。
教室に入ると、すでに来ていた政美が暗い顔をしながら近づいてきた。
 

政美:「ねえ良晴。ちょっと聞きたいことがあるんだけど、付いてきてくれない?」

良晴:「・・・・」
 

コクリと肯き、カバンを机に置いた後、政美の後ろについて歩く。
良晴は昨日、永子の声で電話した内容について確かめようとしている事に、ちょっとうれしくなった。
 

やっぱり俺のことが好きなんだ・・・
 

イタズラばかりしているからそろそろ愛想つかされるかもしれないと思っていた良晴は、政美が
まだ自分の方に向いている事を確信した。
 

校舎の一番奥。
生徒達が普段は殆ど使わない階段の踊り場に政美は立ち止まった。

良晴も同じく立ち止まる。
 

政美:「・・・・・あ、あの・・・・・」
 

俯いたまま、目を合わさずに話を始める政美。
良晴は黙って聞いている。
 

政美:「ねえ・・・最近永子と付き合ってるの?」
 

しばらく沈黙が続く・・・・
 

政美:「昨日さ・・・・永子から電話があったの。それでね、良晴と付き合ってるって言われたんだ・・・」
 

政美の目が涙でにじみ始める。
 

政美:「永子と一緒にいると楽しい?・・・・もう私のこと、嫌いに・・・・なった?」
 

声を震わせ、今にも泣きそうな感じ。
そろそろやばいかも・・・・そう思った良晴が、やっと口を開いた。
 

良晴:「そんな事ないよ。俺、政美の事、好きだし・・・」

政美:「・・・えっ?・・・・」
 

良晴の口から永子の声が・・・・
政美が顔をあげて不思議そうに良晴の顔を見る。
 

良晴:「へへ、あの電話。俺だったんだ。永子の喉をコピーしてお前の家に電話したんだよ。」

政美:「・・・・・」

良晴:「名演技だっただろ。」

政美:「・・・・・」
 

政美の身体がフルフルと震えている。
 

良晴:「芳雄が新しいコンタクトレンズを作ってさ。試してみてくれって言うから使ってやったんだよ。すごいだろ。」

政美:「・・・・・」

良晴:「完璧だっただろ!」
 

バチ〜ン!
 

政美の右手が良晴の左頬を力いっぱい平手打ちする。
 

政美:「良晴のバカァッ!」
 

政美は激しく言葉をぶつけると、涙をこぼしながら走って行ってしまった。
 

良晴:「イッテェー」
 

叩かれた頬を擦りながら政美の走り去ったあとを見つめる。
 

良晴:「そ、そんなに怒らなくてもいいじゃないか・・・」
 

どうやら女心という物をまったく分かっていないらしい。
 
 
 

その後、コンタクトレンズを外した良晴が教室に戻ってみると、政美は机に伏せていた。
背中が時々震えている。どうやら泣いているようだ。
近くにいた芳雄の顔を見ると、お手上げと言った感じで頭を横に振っている。
 

芳雄:「やりすぎだよ良晴。いくらなんでもかわいそうだろ。」

良晴:「・・・・そ、そうだな・・・」

芳雄:「ちゃんと謝っておけよ。貸した俺だってなんか申し訳ないじゃないか。」

良晴:「・・・・・」

芳雄:「ほらっ、政美に謝ってこいよ。」

良晴:「・・・・あ・・・ああ・・・」
 

政美が泣いている姿を見て、ちょっと悪ふざけが過ぎたと思った良晴。
ゆっくりと政美がいる机に近づいて・・・
 

良晴:「ま、政美。悪かったよ。ちょっとふざけすぎたな。」

政美:「・・・・」

良晴:「芳雄が使ってくれって言ったから仕方なく使ったんだよ。」

芳雄:「おいおい、人のせいにするなよ。」
 

となりで聞いていた芳雄が割り込んでくる。
 

良晴:「もともとお前があのコンタクトレンズを俺に渡したからいけないんじゃないか。」

芳雄:「な・・・よ、よく言うよ。あんな使いかたしたお前が悪いんじゃないか。」

良晴:「あれしか思いつかなかったんだから仕方無いだろ。」

芳雄:「俺まで騙しといて・・・・お前にはもう何も貸さないからな。」

良晴:「あ、いやっ!・・・ウ、ウソだよ。俺が悪かったんだ、うん。ほんとに悪い使い方をしたもんだ。
         すまんっ!芳雄、政美、許してくれよ。なあっ。」

芳雄:「調子のいい奴だぜ。俺のことより政美のことを心配しろよ。俺が政美だったら絶対に別れると思うからさ。」

良晴:「お、おい。政美の前でそんな事言うなって。」

芳雄:「それだけお前が悪い事をしたんだよ。政美の気持ちを弄んだんだからさ。」

政美:「・・・・あっちに行ってよっ!」
 

顔を上げずに政美が怒鳴る。
その一言に、二人は一瞬言葉を失った・・・
 

そしてそのまま政美のいる机を離れて行ったのだ・・・・
 
 
 
 
 

このあと、二人は口をきかない日々がしばらく続いたそうだ。
良晴にコンタクトレンズを貸した芳雄も、気まずい雰囲気に飲み込まれていたらしい・・・
 

政美:「もう絶交よっ!良晴なんて大っ嫌いなんだから。」
 

その一言を聞いて、良晴も今回は反省しているようだ。
良晴の誠意が伝われば、政美も許してくれる・・・かも!
 
 
 
 
 
 

秘密のコンタクトレンズ「ピンポイントコンタクトレンズ」(後編)・・・・終わり
 
 
 
 
 
 

あとがき
 

良晴と政美は、もう破局か・・・・
そうさせようかと思いましたが、あやふやに終わらせました。
それは、次の展開をもう書き終えているからです。
この二人、まだ色々と楽しませてくれるようです。

最近、私がよく訪れるサイトで、数人の作家さんが書かれている「人の皮膚を被る」という作品が
かなり好きになっています。
私も是非、そのような作品が書いてみたい・・・
そう感じました。
私なりのオリジナリティがある作品が書ければなあ・・・
と思っています。

と言うわけで、芳雄はまた新たなアイテムを開発したようです。
 

それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
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