俺は志郎。とある私立大学で4回生をやっている。
最近、俺も就職のことが気になりだし、とりあえず数社、面接に行ったんだ。
でも、世の中そんなに甘くはなく、この不況の中、平凡な成績と専門知識もない
俺をすんなり雇ってくれる会社なんてなかなか無かった。
いっそ憑依能力を生かしてスパイにでもなろうかと思うんだけど、そんな現実離れした職業につく勇気も無い。平凡なサラリーマンに落ち着くつもりも無いんだけど、このままいくと、まずサラリーマンに決まりだ。
でも、世の中には俺の知らない職業がもっとたくさんあるはず!
それに、これといってやりたい仕事が無い俺にとっては、どんな職業や仕事が
あるのか、知っておいても損は無いだろう。
ここんとこ、自分の欲望や博和のことで女性に憑依してたけど、そろそろ自分の人生のためにこの能力を使うのもいいだろう。
そんなことを思いながらも、結局欲望を満たすために憑依することになるんだ・・・
 
 

***女子高にいこう!(前編)***
 

大学の講義がおわり、俺たちはフラッと喫茶店に入っていた。

「博和。おまえはいいよなあ。就職決まって。」
「あたりまえじゃないか、俺は志郎みたいに遊んでばっかりじゃないからな。」
「そりゃそうだけど・・・そういえばさ、俺、前から聞いてみたかったんだけど、なんでソフト会社に
  就職したんだ?」
「ああ、おまえには言ってなかったけどな。俺、結構家でパソコンしてるんだよ。
  インターネットやメール、その他にゲームなんかも作ってる。」
「ゲームか。おまえがパソコンでゲーム作ってる姿なんか全然想像できないけどな。」
「そりゃまあ、ゲームは家でしか作らないからな。大学ではもっぱら研究とメールに使っているだけさ。」
「そうか。とりあえず目標ってもんがあったんだな。」
「まあな。面接のときに自作のゲームを持ってったんだよ。一度やってみてくれって。
  とりあえず受け取ってくれた会社があってさ。その会社に内定したんだ。きっと、俺のソフト
  気に入ってくれたんだ。」
「いいよなぁ。得意分野のあるやつは。」
「志郎は何も無いのか。」
「ああ。」
「したい仕事はあるのか?」
「いや、特に無い。」
「やりたい事ぐらいあるだろう。」
「いや、それも無いんだ。だから困ってるんだよ。就職するにしても目標ってもんが
  無いから、どの会社へ面接に行こうか迷うんだ。」
「趣味も無いのか?」
「特に無いな。まあ、テレビをゆっくり見ることくらいか。そうそう、最近は
 もっぱら他人に乗り移るのが趣味かな。」
「志郎さ、おまえ、何か趣味を持てよ。これから就職して結婚する気くらいあるんだろ。
 そんなんじゃ、ろくな人生送れないぜ。」
「分かってるさそんな事。だからこうやって悩んでるんじゃないか。」
「そうだな。悩まないようり悩む方がましか。しかしなあ・・・」
「あのさっ、俺、憑依できるだろ。この能力を使っていろんな職業の人に乗り移って
体験してみたいと思ってるんだ。そしたら、自分がやりたいものが分かるかもしれないって。」
「なるほど、志郎ならそれも可能だな。でも女に憑依するんだろ。男として人生やってくんだから、女に憑依してもあんまり意味ないと思うけどな。」
「だから男女どっちでも出来る仕事を選ぶんだよ。」
「たとえばどんな仕事を考えてるんだ?」
「そうだな。力仕事はいやだから事務系かな、でも一日中デスクワークってのもしんどいか。しかし営業はいやだな。」
「・・・俺、志郎ができる仕事、ほとんど無いと思うぞ。力仕事も頭使うのもいやって言ったら、
 何も無いじゃないか。」
「う〜ん、たしかにそう言われればそんな気がしてきたな。こうなったらプー太郎でもいいか。」
「まったくお前ときたら・・・就職する気ないのかよ。」
「いや、無いことは無いんだ。」
「頭使うのか、体使うのかどっちの方がいいんだ?」
「頭使うほうがいい。」
「頭か・・・それじゃ、先生なんかどうだ。公務員の試験を受からないとダメだけど
 体はほとんど使わないぞ。」
「先生か。それも悪くないな。でも最近の学生は怖いからな。いつナイフで刺されるか
分かったもんじゃない。」
「高校は危ないけど、中学や小学校ならいいんじゃないか?まだましだと思うけど。」
「そうだな。でもなあ・・・」
「いやそうだな。う〜ん・・・それなら女子校はどうだ。お前の好きな女の子が
  いっぱいいるぞ。」
「女子校か・・それならいいかもしれないな。特に体育の先生なんかは最高だな。
  体操服に身を包んだ女子高生と毎日一緒か。」
「でも志郎ならすぐセクハラ教師として辞めさせられるのがおちか。」
「何言ってんだ。俺は生徒には手は出さないさ。生徒になって先生に手を出すんだ。」
「まったく・・・お前って奴は。ままいいや。とりあえず女子校の先生を体験してこいよ。」
「ああ、明日にでもちょっくら行ってくるわ。また報告するよ。」
「頼んだぜ。楽しい話、期待してるから。」
「おう、任せとけって。」

俺と博和は、喫茶店を後にした。
明日は女子校の先生になって、俺に合う職業か調べなければならないからな。
俺は家に帰って夕食を済ませたあと、部屋で地図を広げた。
近所に何校か高校があったはずだ。

「えーと、確かこのあたりに・・・あった!」

俺の家から10キロほど離れたところに女子校が1校あった。ほかにも探してみたが、
どうやらすべて共学らしい。

「この高校にするか。」

俺は明日行く高校を決め、早めに寝る事にした・・・

・・・次の朝。

俺は午前5時に目覚ましを合わせておいた。寝ている途中で幽体離脱してしまったが、
速攻で体に戻って寝た。5時になり、目覚ましを止めたが、眠気はまだ続いている。

「とりあえず先に高校に行って中を調べておかないと。」

そう思って、もう一度寝た。すぐに眠りに入り、幽体離脱する。
俺はそのまま目的の女子校へ向かった。朝のすがすがしい空気を吸い込んでいるのだが、
幽体の俺にとってはぜんぜん感じられない。太陽が少しづつ昇り始め、あたりがだんだん
明るくなることに女子校についた。どうやら私立の高校のようだ。
広大な敷地には、きれいな4階建ての校舎が3棟も並んでいる。
横には室内プールと体育館があった。さすが私立女子校。金に糸目はつけていない。
俺は校舎の中を一通り見てまわり、職員室を覗いてみた。
職員室は、普通の高校とぜんぜん変わらない感じだった。机が並べられ、それぞれの先生が
机の上に本や筆記用具を置いている。体育の先生の机は分からなかったが、とりあえず
別の場所に行ってみる事にした。
行ってみたのは体育館。かなり広い間取りで、よほどのことでもない限りあたる事のない
ここの天井の高さには驚いてしまう。俺がバレーボールを上に打ち上げても絶対とどかないだろうな。
最後に行ったのは室内プール。高校のくせに50メートルのプールがあった。太陽の光が
プールの水に反射して、とてもきれいだった。

「きっと金持ちの家で育った学生が通ってるんだ。」

俺はそう思った。とりあえず人がくるまで待つことにしよう。
室内プールを出た俺は、校舎の屋上で門をくぐる人を待つことにした。
しばらくすると、女子校生がぽつぽつと登校し始めた。
なかなかかわいらしい制服だった。紺のブレザーに赤い大きめのリボンが胸の上に
ついている。チェック柄のスカートは膝の上までしかなかった。やはり、定番の
ルーズソックスを履いている。校則なのか、髪を茶色にしている子は一人もいなかった。
みんなパーマもかけずに黒くてきれいな髪をしている。
女子校生にしては、みんなスタイルが良かった。高校生といえば、大体が膝下から足首の辺りまで同じ太さで1直線。大人独特の足首のくびれというものがない。しかし、ここの生徒はかなり大人びた、すらっとした足をしていた。

「みんな、結構いい足してるな。」

俺はいつのまにか正門の前で、登校する女子高生の足をチェックしていた。
だんだん登校する生徒の数が増え始める。近くまでパスで来ているようで、
何分かおきに大勢の生徒が登校する。しかし、さっきからどうも様子がおかしかった。
俺は、彼女達が正門に来るまでに必ず道の向こう側を見ているのに気がついた。

「なんであっちばっかり見てるんだろう?」

俺は不思議になって彼女達の見る方向に行ってみることにした。
正門の向こうで有名人か誰かが来ているのだろうか。
正門から出た俺は、みんなが振り向いている方向に向かって進んだ。
そして、それを見た瞬間、あっけに取られてしまった。

「ひ・・・博和!」

なんと、そこには柱の影に隠れてあたりを見回している博和がいるではないか。
どうやら近くの女子校がここしかないことを調べた彼は、俺がここに来ることを
予想して、わざわざ見にきていたんだ。
他人から見ると、どう考えても変質者にしか見えない。
このままではそのうち警察を呼ばれる確信した。

「仕方のない奴だ・・・」

俺はため息を一つついた後、博和の後ろから歩いてくる女子生徒の集団に近づいた。
そして、博和の10メートルくらい後ろにせまった、かわいい女の子の後ろに回りこんだ。
別に前から乗り移ってもいいのだが、後ろから乗り移る方が俺は好きだった。
俺は彼女の背中に体を重ね始めた。
彼女の背中に俺の幽体が溶け込んでいく。
彼女は歩いていた足を止め、体をこうちゃくさせて前に倒れそうになったが、俺の意識が彼女の体を
支配した瞬間、体勢を立て直して、何事もなかったかのように歩き出した。
目の前には、キョロキョロあたりを見ながら不自然な行動をしている博和がいる。
俺は博和の後ろまで歩いて行った。

「そこのお兄〜さん!」

俺は彼女のかわいい声で、博和をこちらに振り向かせた。

「ねえ、お兄さん。そこで何やってるの?」

いきなりかわいい女子高生に声をかけられた博和は、おろおろしている。

「ねえ、さっきからキョロキョロして、何見てたの?」

俺は両手を後ろに組んで、首をかしげながらニコッと微笑んだ。

博和は、俺のしぐさに目の前がフラッとした様子で、しどろもどろしながら

「お、お、おれに言ってるのか? お、おれならちょ、ちょっと友達をまっているだけだ。」

舌が回っていない。

「ふ〜ん、誰を待ってるの?」

女子高生の体で博和に接近する。博和の体と、ほんの10センチほどの隙間しか空いていない。
博和は思わず後ずさりして、柱に頭をぶつけてしまった。

「キャハハハハッ」

俺は手で口を覆いながら彼女の甲高い声で笑った。
博和は顔を真っ赤にしながら、突然向こうに走り出した。

「あっ!待ってよ!」

俺は博和の跡を追いかけた。
博和は猛ダッシュで走りつづける。このままでは追いつけないと思った俺は、

「おーい、待てよ!博和〜っ!」

と大声で叫んだ。
自分の名前を呼ばれた博和は、急に立ち止まった。そして、俺の方を振り向いた。
俺は、はぁはぁと息を切らせながら、博和に追いついた。

「今、俺の名前、呼んだ?」
「うん!」
「何で俺の名前知ってんの?」
「だって・・・」

俺はニヤッと笑って周りに人が見ていないのを確認しながら、制服に包まれた胸を両手で
揉みはじめた。

「わたしのこと、誰だかわかった?女子高生が道の真中でこんなことすると思う?」

俺はギュッ、ギュッと胸を鷲掴みにしながら、博和に言った。

「し・・志郎か!」

「ご名答〜っ!」

「ちきしょう!脅かすなよ。ほんっと、あせったじゃないか!」

「そう言うなよ。おまえ、あのまま柱の影で立ってたら絶対警察呼ばれてたぜ。
  俺がこの子に乗り移っておまえを助けてやったのに、感謝してもらいたいぜ。」

「志郎は人が悪いよ。素直にその場で言ってくれればいいのに。あんな事しなくったって。」
「すまんすまん、ちょっとからかってやろうと思ってな。なんせ、おまえが来ているなんて
  思っても見なかったからな。」
「いや、なんとなく来たくなったんだ。どっちみち高校の中に入れないのは分かっていたんだけど、志郎がどんなことするのか、この目で見たくてさ。いてもたってもいられなくなったんだ。」
「それでおまえまで大学休んだのか。」
「ああ、まあな。」
「博和もなんだかんだ言って、俺のことが心配なんだな。」
「別におまえのことが心配になったんじゃないさ。おまえが面白いことをやるのを見たいと
思ったんだ。でも、中に入れないから仕方ないか。」
「そんなに俺の行動を見たいのか。」
「そりゃそうさ、おまえのことだから、どっちみち生徒に変なことするんだろ。」
「さあな、それはわからないけど、おまえが見たいって言うなら見せてやってもいいぜ。」
「でも、どうやって中に入るんだよ。」
「あのさ、さっき俺、校内を下見してきたんだよ。そしたら、裏側に車専用の入り口があったんだ。あそこから入ろうか。」
「でも、そこからは入れるのか。」
「だからさ、俺が車に乗っている先生に憑依するんだ。それでおまえは後ろのトランクに隠れるんだよ。そしたら見つからないさ。おまえはそのまま校舎の適当なところに隠れて
いればいい。俺が後で何とかしてやるから。」
「本当に大丈夫なのか?」
「ああ、俺に任せとけって!」

そう言って、俺たちは高校の裏側に回った。

「やっぱり女の先生がいいよな。」

俺はそう言いながら、車専用入り口の前で女の先生が運転する車を待った。博和は、少し離れた場所に隠れている。
しばらくすると、若い女の先生が運転する軽自動車が現れた。俺は彼女に決めた。

「俺は彼女に乗り移るから、合図したら来いよ!」

博和にそう言付けて、俺は軽自動車に向かった。
女の先生はゆっくりしたスピードで入り口に近づいてきた。
俺は軽自動車のルーム内に入り込んだ。そして、後ろの座席に回りこんだ後、
運転席越しにいる彼女の体に体を滑り込ませた。
彼女は体をビクッと震わせた。そのときにアクセルを踏み込んでしまった。

キュルキュルキュルッ!

とタイヤの空回りする音が聞こえた。完全に彼女の体入り込んだ俺は、全身の感覚を支配した。そして、アクセルを踏んでいる右足を上げ、ブレーキを踏んだ。ハイヒールを履いているので、とても踏みにくかった。
地面にタイヤの後がついたが、なんとかハンドルをさばき、事故をすることもなく無事に彼女の体を手に入れた。
俺は博和にパッシングしながら手を振った。
俺が憑依したことを察知して、車の前までやってきた。

「今、かなり危なかったな。事故るかと思ったぞ。」
「ひやっとしたぜ。やっぱり運転中に乗り移るのは危険だな。」

少しハスキーな声だったが、大人びたその声が気に入った。

「とりあえず後ろのトランクに隠れてくれ。」
カチャッと音がして、トランクが開いた。
博和は体を丸めながらトランクに入り込んだ。結構狭かったが、何とか隠れることが出来た。トランクのフタを閉めた俺は、早速入口を通り、専用駐車場に車をとめた。
周りを見渡して、人影がないことを確認した俺は、トランクを開けて博和を外に出した。

「いててててっ」

腰をさすりながら博和が出た。

「見学させてやりたいところだけど、その格好じゃちょっと無理だな。掃除のおばさんの
  服でも着て帽子でもかぶっていればたぶんばれないぜ。俺が取ってきてやるよ。」
そう言って俺はこの先生の姿で校舎に入って行った。確か、事務室に掃除の服があったはずだ。
案の定、クリーニングした服がおいてあった。男性用と女性用があったので、どうやら
男性も働いているみたいだ。俺は博和に合う大きさの服を持って駐車場まで戻った。

「これを着ていろよ。男性もいるみたいだから大丈夫だと思うぜ。でもおっさんばっかり
のはずだから、若いことバレないように帽子をかぶって下を向いてろよ。」

「ああ。」

博和はごそごそと着替えを始めた。ものの3分ほどで着替えも終わり、掃除のおじさんに変身した。

「これならバレないな。」

お互いにそう言いながら、

「それじゃ、俺は先生という職業を体験してくるから、おまえは適当にうろうろしていてくれ。昼休みに校庭の大きな木のところで待ち合わせしよう。午前中はとりあえず憑依する先生を探して、どんな性格をしているか調べてみるよ。やっぱり急に性格変わったら不自然だろ。」

「それもそうだな。わかった。昼休みに会おう。」

そう言って二人は分かれた。
俺は校舎に入ってから、この女の先生の体を抜け出した。
ハッとして先生が意識を取り戻した。

「あ、あれ?」

周りをキョロキョロしながら首をかしげている。

「確か学校の前まで運転してきて・・・それから・・・」

ここまでどうやってきたのか、ぜんぜん覚えていない先生は、考え込みながら
職員室に入って行った。

俺も一緒に職員室に入る。中には大勢の先生が席について、今日の授業の用意をしていた。

キーンコーンカーンコーン

予鈴のチャイムが鳴り響いた。
それにあわせて、一斉に先生達が教室へ向かいだす。
俺は体育の先生を見つけるために空中をくるくる回っていた。

「おっ!」

俺は職員室から出て行く先生の中で、ジャージ姿をしている若い女性を見つけた。

「あの人かもしれない」

そう思って、後をつけて行った。
その先生は体育館の方に向かって歩いている。

「きっとこの先生に違いない。」

俺はそう確信した。どんな先生だろう?前に回りこんで、顔を見ることにした。

「美人だっ!」

俺は思わずガッツポーズをした。24、5歳くらいだと思う。上下の白いジャージを
着て、白いスニーカーを履いている。髪は黒く、肩より少し長めのストレート。化粧を
している顔は、テレビに出てきてもおかしくないくらいの美顔だった。
ジャージに包まれた胸は、少し小さく感じたが、そんなことは問題ではない。
白いジャージに包まれた、キュッとしまったお尻は、小柄で形がいい。
ジャージに包まれていても分かるすらっとした長い足は、選ばれた女性のみに与えられた
ものだった。

「は、早くこの女性になりたい!」

心臓をバクバクさせながら彼女に接近した。
しかし、今、憑依しても仕方がない。欲望よりも就職だ!
グッと我慢をした俺は、彼女から少しはなれてついて行った。
後姿を見ただけで抱きしめたくなる。モデルのような歩き方、キャットウォークというのだろうか、そんな感じだった。

彼女の後姿を見ながら、何とか体育館についた。
体育館では、体操服に身を包んだ女子高生40人ほどが体操すわりをして待っていた。
白い半そでに赤いブルマ。みんなちゃんとブルマの中に体操服の裾を入れている。
校則が厳しいのだろう。
先生は体操座りしている生徒の前に立ち、出欠を取り始めた。

「それでは出欠をとります。飯田さん、池内さん・・・」

名前を呼ばれるたびに、生徒が返事をしていく。俺は先生が持っている出席簿を横から
覗き込んだ。
そこには1年3組とかいてあった。

「1年生か。それにしても最近の子は発達がいいな。」

ざっと彼女達を見回してみた。確かにまだ幼い雰囲気を持っている女の子もいるのだが、
大体はもう3年生といってもいいくらいの体つきをしている。
金持ちの家に育っているから、栄養も行き届いているのかな。
そんなことを思いながらしばらく見ていることにした。
出欠がとり終わったあと、先生が今日の授業の内容を話し始めた。

「今日は先週に引き続いて、柔道をやります。みんな体操服の上から柔道着を着てください。体の調子が悪い人は先生に行ってくださいね。」

うぐいす嬢のような声でそう言った。

「先生、わたし今日、ちょっと・・」

ある生徒がそう言って先生に相談している。

「・・・それじゃ、端の方で見学していてね。」

女の子は体育館の隅で、ちょこんと座っておとなしく見ている。
同じように数人の生徒が今日の授業を見学することになった。
他の生徒は、体操服の上に柔道着を着て、簡易の畳を準備した。

「それじゃ、柔軟体操から始めましょう。」

そう言って、畳の上で柔軟体操を始める。
俺は先生の様子をずっと見ていた。
その身振りや話し方、生徒との接し方を観察した。
柔軟体操が終わった後、

「次は二人のペアになって、乱取りをします。みんな怪我しないように
  気をつけてください。」

女子生徒は二人づつになって、乱取りを始めた。やはり女性ということもあって、
お遊びのようなものだ。キャッキャ騒ぎながら、

「いったーい」

とか、

「やだー」

とか言いながら、ごろんと転がったり抱き合ったままダンスのようにうろうろしている
生徒もいる。

「こんなんでいいのか・・・・」

俺は呆れながらその光景を見ていた。
先生は、一人余った生徒と一生懸命、乱取りをしていた。額に少し汗をにじませながら
練習をしている。ジャージを着ているので投げたりは出来ないが、
足払いや、巧みに手を取って生徒を倒している。

「はい、それで早めてください。」

みんな一斉に動きを止めた。

「みんなこっちに集まって。」

先生の合図で、周りに集まってくる。

「今日は、寝技の練習をします。佐藤さん、こっちに来て。」

先生はそう言って佐藤という生徒を呼んだ。
そして、みんなの前でその生徒と寝技の見本を見せる。

「この腕をこうやって首と股の間に回して・・・」

押さえ込みの方法を教えている。俺も一緒になって説明を聞いていた。

「ではみんなで練習しましょう。さっきのペアになって練習してください。」

それぞれが間隔を空けて練習を開始した。
先生も、余った生徒と練習をし始めた。

「俺もこの際、先生の練習を受けてみるか」

そう思った俺は、先生と練習している生徒に近づいた。

「たしか、佐藤さんだっけ。」

小さな体の女子生徒が先生の寝技を受けている。

「これくらいならわたし、すぐに外すことが出来ますよ。」

ませた口の利き方をしている。

「そうかしら。それじゃ、外してごらんなさい。」

先生は笑いながらそう答えた。

「じゃあ、外しますからね。」

そう言って体をひねりながら手を使って先生の体を離そうとした。
俺は、

「あんなんじゃ、絶対外れないな。」

そう思って見ていた。
先生は、必死に外そうとする佐藤さんを見ながら、
気付かれないようにわざと外されるように体をずらした。
佐藤さんが先生の体をギュッと押しのけると、先生はごろんと畳の上に転がった。
畳の上に座った佐藤さんは、

「ほら、かんたんだったでしょ。」

と自慢げにそう言った。

「まいったわ。佐藤さんには。」

先生は、ふふっと笑顔でそう答えている。

「何ていい先生なんだ!」

俺は感動してしまった。先生はわざと外されたんだ。
こんなやさしい先生だったら、俺も楽しい高校生活が遅れただろうに・・・
過去を振り返りながらそう思った。

「何されても怒らないかな。」

そう考えた俺は、先生が俺の行動にどう対応をするか確かめるため、
そっと佐藤さんの体に入り込んだ。

「あっ」

という声とともに、佐藤さんの体がビクッと震える。
体が前のめりに
「どうしたの?佐藤さん」

先生がその声に反応した。
俺はすぐに彼女の体を支配し、

「えっ、なんでもないです。ちょっとしゃっくりが出ちゃったみたい。」

そうやってごまかした。

「先生、今度はもう少ししっかりと技をかけてもらえませんか?」

俺はそう言って体を畳の上に倒した。

「いいわよ。」

先生はそう言って俺の体の上に右側からかぶさってきた。
俺の体に対して、直角に体勢をとった先生は、
足を大きく開いた後、お俺の首に片腕を巻きつけて、
もう片方の腕を股の間に入れ、お尻の後ろをギュッと掴んだ。
先生の顔がすぐ目の前にある。
先生の胸が俺の体でつぶれている。
俺の鼓動は先生にも分かるくらい激しく高鳴り始めた。

「外してごらんなさい。」

先生は少し意地悪な顔をしながら俺に言った。
俺は、

「どうやって外してもいいんですか。」

そう答えた。

「いいわよ。先生絶対に外さないから。」

そう言った。
俺は

「それじゃ、いきますよ。」

そう言って体をくねくね曲げ始めた。
首に巻きつけられている先生の腕を外そうと、
両手を使って、必死に押す。
しかし、先生の腕は全く離れようとしなかった。

「それなら・・」

俺は両手で先生の体を少し浮かせたあと、俺の体に押し付けられている胸の下に
左手を入れた。そして円を描くように手を動かし始めた。

「えっ!」

先生は、俺の行動に一瞬驚いたが、

「そんなことしたって外れないわよ。」

と余裕の表情で答えた。
俺はそのまま手を動かしつづけた。なんとなく胸の突起があるような気がして、
そこを2本の指で摘むように動かした。ジャージとブラジャーの生地が厚いので、
掴むことは出来ないが、刺激は伝わっているはずだ。
先生は体を少しずらしながら

「佐藤さんたら、いやらしんだから。」

そう言った。
俺は

「どんなことしてもいいって言ったでしょ。」

と答えたあと、ファスナーを少し降ろし、先生のジャージの中に左手を入れた。
先生の肌を直接感じることが出来る。
俺は体をくねらせて、先生と体の隙間を少しづつ空けながらグッ、グッと手を
奥に侵入させた。ブラジャーの中にある先生の胸を直接触る。
先生は、

「ち、ちょっと。佐藤さん!」

そう言って体を左右に動かした。それでも、俺を押さえ込んでいる腕を
離そうとはしなかった。

「先生、腕を離してもいいですよ。わたしの勝ちですね。」

俺はそう言ってニヤッと笑った。

「まだ離さないわよ。」

先生は結構頑固に抵抗している。
俺は、先生の胸の突起をギュッと掴んだ。

「あっ!」

先生は思わず声を出してしまった。
ギュッ、ギュッと直接突起を指で摘む。

「・・・くっ・・・・んっ・・・・」

先生は、声を殺して耐えているようだ。まだしっかりと押さえ込んでいる。

「ふーん・・・」

俺は右手を先生の体の下へ這わせる。
先生の下半身に向かってじりじりと手を動かす。
先生の体で、俺の右腕が隠れるので、みんなからは俺の右腕は見えない。
俺は右手を畳と先生の体の間に滑り込ませた。そして、ジャージ越しに
先生の股間をギュッと掴んだ。

「やだっ!」

先生は思わず足を閉じた。俺は体を動かして先生の体を離そうとする。
もう少しで外れそうになったが、先生はまた足を開いてふんばった。

「そんなことしたら反則よ。」

先生はそう言いながらさっきよりもきつく俺を押さえ込んだ。

「先生と約束しましたから、何やってもいいって。」
ジャージ越しに撫でていた俺の右手をジャージの中に押し込む。

「ひっ!」
という声とともに、先生の腰が浮かび上がった。
俺は先生のパンティの中にまで手を進入させ、直接感じるところを指でなぞった。

「あんっ・・」
先生は、俺の手を押さえつけるように、体を畳に押しつけた。しかし、
いったんとどいてしまった俺の指は、もう押さえつけても意味がない。
ジャージの中で、俺の指が無情に這い回る。
ジャージ姿で足を広げている先生の股間は、中で生き物が動くいているように波打っている。

「あっ・・や・やめなさい・・・んんっ・・・」

心なしか、先生の腕が緩んでいるように感じる。
俺は、先生の中に指を2本入れ、中をかき回した。

「!!!っ・・・・やだっ・・・さ・さとうさん・・・そんなこと・・・・」
左手も胸の突起を責めつづける。

「ああっ・・・あんっ・・・・あっ・・あっ・・・あっ・・うっ・・」

先生は両足をピンと伸ばして力を入れている。背中を丸めて我慢する先生の腕は完全に緩んでいた。
俺は一気に体をねじって、先生の体を横へ転がしその場に座った。。

「ふふっ、先生。わたしの勝ちね。」

そう言って俺は指をペロッとなめた。

「はぁ・・はぁ・・はぁ・・」

先生は少し顔を赤らめながら、

「今のは無しですからねっ」

そういって起き上がった。

「気持ちよかった?」

俺は先生に問い掛けた。

「な・何言ってるの、あなたは」

そう言って俺の頭をポンと叩いた。
その後、咳払いをして、

「はい、皆さん、今日はこのくらいにして片付けてください。」

といって、みんなに片付けをさせ始めた。
時間を見ると、もう1時間半たっていた。ちょうど1時間目の終了だ。
俺は佐藤さんの体から抜け出して、先生の持っているスケジュールを見た。
予定では午後から3年生を担当するらしい。
とりあえず、先生の口調や性格がなんとなくわかった俺は、
昼になるまで適当な女子生徒に憑依して、遊ぶことにした。
2時間目の授業が始まったので、2年生の教室に行ってみた。
ここでも40人くらいの生徒が、40歳くらいの男の先生の話を聞きながら
黒板に書いていることをノートにメモしている。
学校が始まる前にも憑依したが、制服姿の女子高生はかわいらしい。
俺は一番後ろの窓際に座って眠たそうにしている女の子に憑依した。
周りの生徒は全く気付いていない。
結構かわいい女の子だ、カバンの中に入っていた小さな手鏡で顔を見てみると、
きれいな肌をして目も二重でパッチリとしている。唇は小さめで、少し口紅を
塗っているようだ。校則で禁止されていないのだろうか。
先生が本を読みながら近づいてくる。
俺は、椅子を後ろにずらしたあと、パンティが少し見えるくらいまでスカートをめくった。
そして、先生が近づいてきたら、片手で胸の襟元をキュッと前に引っ張って、
もう片方の手で中を仰ぐようにパタパタと振った。
先生はチラッと俺のそのしぐさを見た。
上から見ると、ブレザーとブラウスに隠れていた二つの胸が見えているはずだ。
それに、スカートからは白いパンティがチラッと見ている。
それを見た先生は、一瞬話を止めた。しかし、その後何もなかったかのように
読み始めた。

「ヘヘッ」

俺はニヤけながら先生の方をずっと見ていた。
先生は教卓にもどり、本を上に置いた。そして、みんなの方を向いて話し出した。
俺はブレザーの上から両手で胸を揉み始めた。
先生がこっちを向いた。俺は胸を揉みながら目をとろんとさせ、
上目遣いで先生を見つめた。先生はあっけにとられながらも俺のそのしぐさを
食い入るように見つめながら授業を続けている。
調子に乗った俺は、ブレザーのボタンを一つ外し、その中に手を入れブラウス越しに
胸を揉み始めた。
声を出さずに、

「あっ・・あっ・・」

という口の動きをする。
もう片方の手を股間にあてがい、一人で楽しんでいるように見せた。
先生は、教卓から離れることが出来なくなっている。

「ざまあみろっ!」

俺はそう思ってブレザーを直し、スカートを元通りにしたあと、彼女の体から
離れた。彼女は眠っていたのと勘違いして、普段どおり授業を受けていた。
その後、先生は教卓を離れることなく、最後まで教室をうろうろすることはなかった。

おっと、そろそろ昼休みだ。
俺は、博和と待ち合わせている校庭の大きな木の下に向かった・・・・
 

・・・つづく
 

本作品の著作権等について

    ・本作品はフィクションであり、登場する人物・団体名等は、すべて架空のものです
    ・本作品についての、あらゆる著作権は、すべて作者が有するものとします。
    ・よって、本作品を無断で転載、公開することは御遠慮願います。

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