2002年、夏、丹沢山中でのちょっとした天気のいたずらからそれは始まった。

 大学の仲間とキャンプに来ていた市川和夫と藤倉早紀は、二人で麓のコンビニエンスに夕食の材料の買い出しに行ったものの、道に迷った上に折りからの夕立にまかれて困り果てていた。

「いやあ、こんなに降ってくるとはなあ。まいったまいった」

「和夫君ってほんと方向音痴なんだから。どうするのよ」

「どうもこうも、とにかくしばらく雨宿り出来るところを探そうよ」

 まだ遠いけれど雷が鳴っている。しかも徐々に近づいているようだ。

 早くしなければ……

 和夫は車を運転しながら辺りを探し回っていると、少し道から外れたところに明りが点いているのを見つけた。近くまで行くと、それは古い洋館であった。

 ……誰かの別荘かな……

「よし、早紀ちゃん、ここで雨宿りさせてもらおうよ」

「そうね、でも大丈夫かしら」

 洋館の前に車を止めると、二人は玄関まで全力で走った。

***ピシャーン***

 雷がすぐ近くに落ちて空気がビリビリ震える。

「キャー、いやあ」

 ようやく洋館の玄関前に辿り着いた。

「すみません、誰かいませんか、すみません、雨宿りさせてもらえませんか」

 ドンドンとドアを叩く和夫。

 しばらくするとドアはようやく開いた。

 中から出てきたのは背格好からして10歳くらいの少女であった。しかし、何とも奇妙な少女だ。120cm位の小さな体に、古い洋館によく似合うフリルのたくさん付いたかわいいワンピースを着てるが、その顔立ちはとても少女のようには見えない。端整ではあるがまるで男のような顔立ちで、20才位の青年と言ったほうが相応しいものであった。しかし、二人にはまるでそれを気に掛ける様子はない。

「すみません。雷が通り過ぎるまで雨宿りさせてもらいたいんだけど、お父さんかお母さんいませんか」

「今出掛けてるんです……でもいいですよ……どうぞ」

 少女は言葉少なではあるが、二人を洋館の中に招き入れた。

 二人が中に入ったその背中で、ドアが……ギギー‥バタン……閉じた。




ボディスナッチャー(ピンク)

作:toshi9




 雨はなかなか止む気配がない。雷も鳴り止まないようだ。

 二人は洋館の中に入ると、応接室らしき場所に案内された。

「ここで……ゆっくりしていて……くださいね」

「僕は市川和夫、彼女は藤倉早紀、山のキャンプ場から買い出しにこの近くまで来たんだけれど、道に迷っちゃって、おまけにこの雨と雷で‥本当に助かりました」

「……ありさです」

「あの〜、他に誰もいないんですか」

「今一人なんです……あ、そうだ、ちょっと待っていてください」

 ありさと名乗った少女は、何かを思い付いたようにそう言い残すと、部屋を出て行った。





 二人はじっと待っている。……まだ近くで雷の音と犬の鳴いている声が聞こえる。

「かわいい子ね」

「うん、いかにも良家のお嬢様って感じだな」

 しばらくすると、ありさがデザートらしきものを持ってきた。

「……何も無いんですけれど……これでも……食べていて‥ください」

 それは、ピンク色をしたゼリーだった。2個のデザートグラスに入れられたそれは、部屋の照明をキラキラと反射していた。

「わぁきれい」

「おいしい……です‥よ」

「じゃあ遠慮なく」

 二人はスプーンを使ってひとすくい、またひとすくいと食べ始めた。味はちょっとピリッとした変わった味だけれども確かにおいしい。二人とも途中からは食べるのに夢中になってしまい、気が付いたら器の上には何も無くなっていた。

「これ何の味ですか、おいしいけれど不思議な味ですね」

「それかい、ふっふっふっ」

 突然ありさのしゃべり方が変わった。

 その時和夫も早紀も、ふと顔のほてりを感じた。そして、それは段々大きくなって顔全体に広がっていった。

「何だこれは、顔が熱いよ」

「熱い、顔が、熱い」

 和夫も早紀もたまらず顔を両手で抑えた。二人の顔は熱さでピンク色に染まっている。いや、それは熱さのせいだろうか。

「ふふふ、そろそろ大丈夫かなあ」

 ありさは両膝をついて顔を抑えている和夫に近づくと、おもむろに和夫のあごの下に両手をかけ、エイッとばかりに引き上げた。すると、何ということであろうか、彼女の手にはぶよぶよしたものが……それは和夫の顔そのものだった。

 音も無く顔が引き剥がれてしまったようだ。そして残ったのは……何も無い……つるつるののっぺらぼうだった。

 顔の無くなってしまった和夫の体は、両腕をぶらんと下げしばらく膝立ちのままであったが、やがて意識を無くしたかのように、がくっと倒れてしまった。

 続けて早紀も和夫と同じように、顔を引き剥がされてしまった。





 部屋にはのっぺらぼうになった和夫と早紀の体が横たわっていた。

 その傍らに佇む少女ありさ。

 ありさは両手にピンクに染まったぶよぶよとした半透明のゼリー状のものをぶら下げ、にやにやしながら立っていた。左手には和夫の顔、右手には早紀の顔を持って。

 和夫の顔には全く動きがない。どうやら気絶しているようだ。でも早紀の顔は、何か言いたそうに口をパクパクさせていた。

 ありさは早紀の顔を目の前にさし上げると、彼女に向かって話しかけ始めた。しかし、少女の声で話すその喋り方はまるで男のようだ。

「面白いだろう、どんな気分だい。君たちが来てくれて丁度よかったよ。でも、これからもっと面白くなるよ」

 青年のような顔立ちの彼女の唇は堪え切れない笑いを抑えているかのように震えていた。

 ありさは両手に持った顔をテーブルにペチャリと置くと、小さなペットボトルを取り出した。中に入っているのはピンク色をした液体、いや先ほどのゼリーのようだ。

 彼女はそのピンクのゼリーをごくっ、ごくっと直接飲み始め、それを一気に飲み終えるとペットボトルをポイっと投げ捨てた。そしてスタスタと早紀の体に近付きその横にしゃがみ込む。その顔はすでにピンク色に染まっていた。自分の両の手の親指と人差し指であごを挟み込み自分の顔をエイっとばかり引き上げると、その手にはにやりと笑ったピンクのゼリー状の青年の顔があり、少女の体の顔の部分はやはりのっぺらぼうになっていた。

 ありさはそのままの体勢で手に持っているゼリー状の自分の顔を素早く早紀ののっぺらぼうになった顔の部分に被せた。

 のっぺらぼうになったありさの体はそのまま意識を無くしたかのようにどさりと倒れてしまった。一方早紀の顔に被せられたピンクのゼリーはそこにくっつき、徐々に肌色を取り戻していった。

 ピンク色がすっかり肌色に戻った時、ゼリーは完全に普通の皮膚に戻っており、のっぺらぼうだった早紀の体にはさっきまでありさの顔だったはずの青年の顔が付いていた。そして青年の顔がぱちりと目を開くと、早紀の体はむくりと起き上がった。

「ははは、成功だあ。つるぺたなその体ともおさらばだあ。今度はもうちょっといろいろ楽しめるかなあ」

 その声は早紀のものであったが、喋り方はさっきまでのありさとそっくりであった。彼?は自分のものになった両腕を目の前に差し出し、手の平をじっと見つめた。さらに早紀の体を確かめるようにTシャツの上から胸のふくらみを両手で持ち上げ、ゆっくりと揉み始めた。

「うん、いい気持ちだあ、これは俺の胸だあ」

 段々上気してくる彼の顔。

 今度はTシャツとスリムジーンズを脱いでブラジャーとショーツだけの姿になると、ショーツに両手を差し入れた。そして差し入れた指をゆっくりとさするように上下に動かしていく。

「う、う〜ん、これも俺のアソコだあ。やっぱり子供とは違う。いいねえ〜」

 片手を再び胸にやると早紀の大きな胸をクニュクニュとさらに揉み続け、股間に差し入れた指を今度はその奥へと差し込んでいくと、彼の口からはあえぎ声が漏れ始めていた。

「あ、あーん、気持ちいいよお、早紀ちゃんと言ったねえ。君の体は最高だねえ」

 ショーツから抜き出した彼の濡れた指は照明の光をキラキラと反射していた。

 机の上では体を奪われた早紀の顔が恐怖にひきつっていた。

「俺はこの家とは関係ない人間さ。名前は聡とでも言っておこうか。男さ、いや男だっただなあ。今は女だもんなあ。あのゼリージュースを手に入れたんでいろいろと試してみたくってね、最初にこの屋敷の娘に目をつけたんだ。親がいない時を見計らってね。そして、成功したよ。たいしたもんだ、俺はこの家の娘の体になることができたんだもんなあ。
 その体はありさっていうこの家の娘のものだよ。でも昨日俺がいただいてやったのさ。今やったようにね。
 彼女には用済みの俺の体をあげたけど、おかしくなっちまった。いろいろ遊んであげたよ。でもちょっと子供には刺激が強すぎたかな。ここを飛び出して行ってそれっきりだなあ」

 聡と名乗る早紀の体を奪った男は、にやーりと笑いながらなおも自分の体を両手でまさぐり、腰のくびれやお尻の張りを確かめながらも話し続ける。

「ここの親かい? パパもママも朝外出していったなあ、俺もありさとして振舞ってやっていたけれども、娘が他人と入れ替わっていることに全く気づいていなかったなあ。夕方には戻るって言っていたから、それまでに全部済ませないとなあ」

 聡の異常な話に、早紀はもう気も狂わんばかりであった。

「さあて、早紀ちゃん。ふっふっふっ、そのままじゃ不便だろう。まず君からだ。君はこっちの体にしてあげるよ」

 聡は早紀のゼリー状の顔をテーブルから取り上げると、和夫ののっぺらぼうの顔の部分に被せた。するとピンクのゼリー状だった早紀の顔もそこにくっつくと徐々に肌色を取り戻していった。

 ピンク色が完全に肌色に戻ると、早紀の顔は和夫の体にくっついていた。和夫の体が早紀のものになったのだ。

 しかし早紀は恐怖とパニックで身動きができない。

「はっはっはっ、どうしたんだい。もっと自分の体を確かめてみたらどうかなあ」

 早紀は、はっとして自分の体をまさぐる。しかし胸は平らでそこには何も無く、股間に手をやると、穿いているチノパン越しに有る筈の無い一物がそこに付いているのがわかった。

「何、なんなの、私の体どうなったの?」

 その低い声は和夫のものであった。

「君は男になったんだよ」

 早紀の体を奪った聡は、和夫の体になった早紀に近寄ってくると抱きついてきた。勢いにたまらず倒れ込む早紀の胸に抱きついてきた聡の胸の膨らみが触れてぎゅっと潰される。
 聡の太股が早紀の股間の間に挿し込まれ、早紀のものになった盛り上がりに触れる。すると早紀の意志と関わりなく、そこはむくむくと膨らんできた。

 聡はわざと太股をすりすりとそこにこすりつけてくる。

「何、この感じ、何か変な気持ちが」

「それが男になった証拠だよ、さあ楽しもうよ」

 聡は自分の体を早紀に見せ付けるように、ゆっくりとブラジャーとショーツを脱いでいくと、今度は早紀の穿いているチノパンとトランクスをぐいっとばかりに引き剥がした。

 早紀の股間のものはすでに天に向かってビンビン揺れ動いていた。

「い、いやあ、こんなの」

 両手で顔を覆う早紀。

「いきなりじゃ何だなあ、一発抜いてあげるよお」

 聡はトランクスを脱がせた体制のまま、目の前にある早紀の一物をかぷっと口に含んだ。舌でゆっくり舐め上げては唇を上下に動かすと、口の中の物がさらに硬くなっていくのがわかる。

「いやあ、変な事しないで、おかしくなっちゃう」

 かまわずしゃぶり続ける聡。

 そして、早紀が突然顔をしかめる。

「あーん、何か出てくる、いや……でも、でも……いく、だめえ」

 ドクン、ドクン

 早紀の体がブルっと震える。

 聡が口を離すと、薄く開いた唇の間から白い物がタラリと垂れてきた。そして、ゴクリとそれを飲み干す聡。

「どうだい、良かったかい、男の快感は。じゃあ今度は僕にも頼むよ」

 彼は早紀の萎んできたそれをもう一度それを口に含むと、唇で絞り上げ、舌で嘗め回し続ける。すると再びムクムクと頭をもたげてきた。

「さあ、ここに入れておくれよお」

 聡は早紀に向かって大股開きになると、自分のものになったアソコを2本の指で広げ、中の襞の奥まで早紀に見せ付けた。

 早紀の心の中にどうしようもない欲望がどんどんと込み上げてくる。そこに入れたい、入れたいという気持ちが、でも何を?自分のこれを?自分のものだったアソコに?

 でもそんな心の葛藤とは裏腹に、じっとそこを見ていると、もう早紀のものははちきれんばかりに大きく硬いものになっていた。

「う、う、あーん早くきて和夫。私もう待てない。どうしようもなくあなたが欲しいの」

 突然聡が早紀の声で早紀の向かって甘えた声をかける。

「な、なんてこと言うの、私そんないやらしいこと言わないわよ」

「早くう、あなたは和夫なのよぉ、かずおぉ‥ここにあなたのたくましいそれをぶち込んでぇ」

「いや、いや、やめて、言わないで……でも……わたし、わたし」

 早紀の心は聡が奏でる甘ったるい自分の声を否定しながらも、和夫の体は素直に反応していた。

 再びそこはビンビンといきり立っている。

 そして、早紀は体の中から後から後からと湧き上がってくる欲望にもう抵抗できなくなっていた。それは和夫の体の中の本能が突き動かしたのだろう。遂に聡の足を両手で抑えると、極限まで膨らんだ自分のソレを聡のアソコにあてがった。そして、勢いよく押し込む。元々自分のものだったそこに。

 すでに潤っていた聡のソコはジュルっと早紀のものを受け入れた。何の抵抗もなく根元までくわえ込んでいく。

「ああ〜、いいよ〜そうだよお〜もっと腰を動かしてくれよお〜」

 言われるまでもなく、早紀はすでに男の本能の赴くままに腰を動かし始めていた。

「うっ、うっ、うっ」

 そのピストン運動に合わせて聡の口からはあえぎ声が漏れ始めた。そのEカップの胸がゆっさゆっさと揺れる。

「あん、あん、あーん、いいよ、いいよ、う、う、う、う……いく、いく〜」

 早紀も遂に最後の時を迎えた。腰の動きがいっそう激しくなる。

 そして、ズピュ、ズピュっと白いものが聡の体の中に噴出していった。




・・・・・・・・・・・・・




「ああ、よかったよ。この体ってほんと最高だよ。これからも頼むよ、か・ず・お・く・ん」

「……なに言っているの、私は早紀よ、早く元に戻してよ」

「いいや、君は和夫なんだなあ。顔が変わっていても、ゼリーを食べていない回りの人間にはもともとの体の持ち主に見えてしまうんだなあ」

「!」

「さっきまで俺のことに全く気づかなかっただろう。かわいいありさちゃんだと思っていただろう。ありさのパパもママもそうだったけれどね」

「だから顔は変わっているのに、誰もが今の俺のことを早紀ちゃんだと思うし、君の事は和夫だと思うんだなあ」

「いや、そんな」

「さあて、ありさの親が帰って来ないうちに最後の仕上げだ」

 聡は未だに気絶したままの和夫のゼリー状の顔をテーブルから取り上げると、ありさののっぺらぼうの顔の部分に被せた。するとピンクのゼリー状だった和夫の顔もそこにくっつき、徐々に肌色を取り戻していった。

 ピンクの色がすっかり肌色に戻った時、ありさの体に和夫の顔がくっついていた。

「うーん……僕はいったい」

「和夫君」

「早紀、どうしてそんなに大きくなっているんだ。それにその体……」

「いや!見ないで」

「和夫〜もうお前はありさだあ。自分が今何を着ているかわかるかあ」

 裸のまま、まだぱっくりと開いたままの股の間から時折白いものを滴らせながら、聡は和夫の着ているフリルのたくさん付いたワンピースを脱がせて行った。

「何で俺こんなもん着てるんだ」

「へっへっへっ、ありさちゃーん、おねえさんと一緒にお風呂に入ろうよお」

「お前は誰だ、女なのか?いやその顔は男……どっちなんだ」

 聡はかまわず和夫が穿いている熊さんのプリントがしてある白いパンツも脱がせると、彼を裸にしてしまった。

「どうだあ和夫、ありさちゃんの体は」

 聡は和夫の頭を撫でると、小さな胸に優しく触れた。

「ひゃん、って何だこの感じ」

「自分の体を見るんだなあ。お前はもうかわいい女の子なんだよお、ありさちゃんなんだぜえ」

 聡と並んで鏡の前に立つと、自分の体が小さくなって、しかも胸は小さく膨らみ、股間はつるつるで、何も無くなっていた。いやそこには縦に1本の溝が走っていた。

「これが俺?……ばかな、なんでこんなことに」

「ふふふ、お姉さんと背中流しっこしようよぉ」

 聡は裸にされた和夫の手を引っ張って行こうとした。

「早紀ちゃんは服を着て待っていろよお。勿論和夫の服だぞう」

 裸のままの聡は早紀にそういい残すと、状況が全く把握できない和夫を連れて風呂場に向かって行った。

 湯船にお湯を満たしながら、聡は和夫にシャワーをかける。

「ほら、ここ気持ちいいだろう。俺も昨日試してみたんだぜえ」

「ひ、ひゃ、何、ここってこんなに敏感なんだ、湯が中に入る感じが……ってやめてくれえ」

「じゃあ、お姉さんのここをよく洗ってくれよお」

 聡は自分のアソコに和夫の小さな指を導き入れる。和夫は自分の小さな指を1本2本と聡のアソコに入れていく。すると、その奥からはコポッ、コポッと白いものが少しずつ出てくる。

「あ、あーん、気持ちいい〜、ありさちゃんその調子だよお」

「ほら、ここも洗って」

 今度はEカップの胸の間に和夫の顔を埋める。

「うっぷ、や、やわらかい」

「いいねー、一度やってみたかったんだなあ」

……しばらく二人の嬌声が止むことはなかった。

 そして、風呂から二人が出てきたとき、最後に無理やり湯船の中で数を数えさせられた和夫は、完全にダウンしていた。聡に抱えられたまま、顔を火照らせ、はあはあと荒く息をしている和夫は本当に少女のようで、早紀を一瞬あきれ返らせていた。






「じゃあ雨も止んだみたいだしキャンプ場に戻ろっか、ねえ和夫クン」

 早紀になりきって話す聡は、早紀のTシャツとスリムジーンズを着込んでいた。勿論今の聡にはピッタリで、その胸の盛り上がり、腰のくびれ、ピチっとした股間、お尻の張り出しといった艶かしいボディラインをくっきりと映し出していた。

 早紀はすでに仕方なく和夫の服を着ていた。

「あなたどうしてこんなことするの」

「だって面白いじゃないかあ、折角手に入れたんだし、いろいろな相手に試してみたいよなあ」

「私達元に戻れるの?」

「どうかなあ、まあとにかく俺と一緒にいることだなあ」

 聡は自分のリュックを背中に背負うと和夫のほうを振り向いた。そして、ベッドに寝かせられた和夫に早紀の声で話し掛ける。

「ありさちゃん、どうもありがとう。パパやママが帰ってきたらよろしくね、うふふ」

 ありさの熊さんパンツに淡いピンクのネグリジェを着せられた和夫は、その声に反応すること無く、のぼせたまま眠り込んでいた。

 二人が洋館を出ると、天気はすっかり回復していた。

 聡は早紀に車を運転させ、キャンプ場で待っているという仲間達の所に向かって行った。車のルームミラーに映っているのは、運転主席に座る顔以外が全て和夫になった早紀と、助手席に座る顔以外は全て早紀そのものの聡だった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ただいま、遅くなっちゃったわね・・・あらっ、ありさちゃん寝ちゃったのね」

「う、うーん、あれ?ここは」

「夢でも見ていたの、ありさちゃん、いい子にしてたわね、ねえお父さん」

「うん。ほら、ありさ、お土産だぞ。お前の欲しがっていた人形だ」

「かわいいお洋服もいっぱい買ってきたからね」

「僕はありさちゃんじゃありません」

「なに言っているのこの子、まだ夢から醒めていないのね。今日はどんな夢を見たの」

「違いますって、ありさちゃんは……」

 和夫が何を言っても二人は取り合わなかった。

 鏡には顔以外の全てがありさになった和夫が映っていた。しかし二人にとってはそれはかけがえのない娘にしか見えなかった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ごめんね、遅くなっちゃって」

「おう、早紀ちゃん大丈夫だったかい。和夫が付いているとは言えあの雷だ、みんな心配したぞ。和夫のほうはなんか元気ないな」

「え、ええ」

「なあに、変な言葉使いしちゃって」

「しっかりしろよ、和夫」

「大丈夫よ、和夫クンが守ってくれたんだから、ね、カズオクン」

「・・・・・・」

「ひょうー、隅におけないね」

 キャンプ場で待っていた仲間と合流する聡と早紀。しかし、待っていた仲間には早紀と和夫が戻ってきたようにしか見えなかった。

 聡はリュックを降ろすと、中からペットボトルを取り出す。 

「ねえ、これ下で買ってきたのよ、みんな飲まない?」

「ああ、いいね。よし、みんなで乾杯だ」

「へぇー、おいしそうね、ピンクの飲み物なの?じゃあ飲みましょう。ありがと、早紀」

「うん、おいしいよ、うっふっふっ」




(了)
                                 2002年9月19日脱稿




後書き

 「入れ換え魂」への投稿作品ということで、じゅうはちきん、部分変身だったら、自分はこういうものを読んでみたいと思いながら書いてみた作品です。それにしても書いているうちにあれもこれもと、つい詰め込みすぎたような気がします。
 アイテムは(黒)に続く裏ゼリージュース第二弾(ピンク)で、顔と一緒に意識も移し換えてしまいますが、換わっていることは飲んだ人にしかわからないというモノです。
 アイデアが浮かんで書き始めてみたものの、表現が難しくて少しわかり難い部分もあるかと思います。イラストが描ければ一目でわかるのですが……とは言っても、あまり見たくないような……複雑ですね。

 それでは、ここまでお読みいただいた皆様どうもありがとうございました。



toshi9より
感謝の気持ちを込めて。













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