高校球児とクラスのマドンナとそして

 作:verdsmith7


カーンというバットの金属音が学校中に響いた。
バットに当たったボールは打たれた衝撃で地面から離れていく、だが飛距離はない、フライだ。
(あれなら行ける!)
俺は動き出した。経験でここで捕れると判断した。
やがてボールは俺の予想通り俺の頭上へとやって来る。
そんな時急な突風が吹いてきた。校庭の砂が舞い上がり俺の目に入りこんできた。
「くぅう!」
俺の目に入った砂ぼこりは激痛を引き起こした。
それでも何とかもう片方の目でボールを追えるよう頑張った。
(もう少しだ!)
しかし、慣れない片目ではいつものようにボールとの正確な距離感が掴めなかった。
ボールは俺のグローブをかすめて地面に落ちていってしまった。
(しまった・・・)
俺は急いでボールに向けて走り出した。
ランナー当然走り出しているだろう。
俺は無我夢中で追いかけた。
だが、その焦りが不注意を招いてしまった。
俺が追いかけた方向に誰かがいることに気が付けなかったのだ。
俺は全力で走っていたせいで、その人物が目の前にいることに気づいた時は手遅れだった。
ドンッ! という衝撃と共に、俺の意識はそこで止まった。

止まっていた意識は一気に覚醒した。
俺は目を覚ますとバッと背中を起した。
俺はベッドで眠っていたようだ。
辺りを見回す。白いカーテン、布団、棚には薬が置いてある。
どうやら保健室のようだ。
すると誰かがこちらにやって来るのが分かった。
それは保険室の先生だった。
「あら、気が付いたのね。もう大丈夫? ケガはなかったようだけど」
まだ少し頭がズキズキするが、他はいたって正常だった。
「はい、まだ少しフラつくけど大丈夫です」
「そう良かったわね光莉ちゃん、もう少ししたら友達が迎えに来てれるそうよ」
そう言うと、先生はカーテンを閉めてベッドから離れていった。
(光莉ちゃん?)
先生ははっきり俺にそう言った。
光莉ちゃんと言えば俺のクラスのマドンナ的な存在だ。
クラス一、いや学校一の美少女とも言われているほどの皆の憧れの存在だ。男子はもちろん女子からもだ。
なのに何で先生は俺に光莉ちゃんって言ったんだ。
俺は次に自分が野球部のユニフォームを着ていない事に気づいた。
しかも男子の学ランではなく、俺は今女子の制服を来ているようだった。
この高校の女子が着ているブレザーとスカートを今俺が履いている。
「なんだこれ? 俺女装でもしているのか?」
俺は自分の身体のあちこちを調べ始めた。
こんなに俺の髪は長くなかったはずだ。それに俺に付いている筋肉もだいぶ落ちているようだ。腕が細すぎる。
そして・・・
「これ、おっぱいだよな・・・」
男の胸とは違うはっきりと大きく膨らんだ胸が今の俺に付いている。
「ええい、糞! 鏡はどこだ?」
保健室なら鏡の一つや二つ置いてあるはずだ。
俺はベッドから起き上がると机の上に置いてあった鏡を取った。
すると中には・・・
「・・・光莉」
そこには見慣れた汗臭い野球部の男子ではなく、学校のマドンナ光莉が映っていた。
俺はその姿に驚くと、鏡に映った光莉も同じように驚いた顔をしている。

「どうなってるんだ? 何で俺光莉ちゃんに・・・」
俺が何が起こったのか理解しようとしていると、女子達の声が聞こえてきた。
ドアをノックする音が聞こえる。
「失礼します。みんなで光莉ちゃんの様子を見に来ました」
俺はそれを聞くと慌ててベッドに戻る。
「光莉ちゃんは大丈夫ですか?」
心配そうに女子達が先生に質問している。
俺は内心ドキドキしながら布団に潜って様子をうかがった。
俺が光莉のはずがないんだ。そうだ、これは何かの間違いだ・・・俺はそう思った。
そう、きっとあの女子達も別の奴のお見舞い来ただけなんだ。
その願いは、俺の前にあるカーテンがサーっと開く音と共に消え去った。
「光莉ちゃん起きてる?」
俺は布団から顔を出すと、ニコっと笑顔を作って答えた。
「・・・う、うん。まだ頭がちょっとずきずきするけど平気」
ばれませんようにと願いつつ、俺は必死で光莉を演じた。
目の前にいたのは俺と同じクラスの由紀恵だった。
彼女もかなり男子から人気の高い女子だった。
本来なら喜ぶべきことだろう。クラスで人気の女子2人(うち1人は今の自分だが)と関わりを持てたのだから。
だが、この身体は本来の俺の身体でないという現実が、それらを素直に喜べなくさせていた。

「そっか、でも元気そうで良かったよ。まったくあの野球部の奴には皆でビシッと言っておかないとね」
由紀恵はおっかない顔をして俺の事に腹を立てている。それを聞いて、内心今俺が光莉であることに感謝した。
「そうだ、今日皆で食べて帰ろうって言ってるんだけど、光莉ちゃんも来れるかな?」
「え?」
俺はギクッとした。
ほとんど話したこともない女子と女子会するなんていいのか? むしろちゃんとやれるのか俺・・・
「やめとく」と言っておけば良かったのかもしれないが、俺は「うん」と答えてしまった。
「やったあ! じゃあ学校も終わったし、早速行こう。先生も大丈夫だろうって言ってたし」
俺が行くと言っただけで皆とても嬉しがっている。中身が俺だと知ったらどれだけがっかりするだろうか。
「ね、ねえ、私にぶつかった野球部の奴だけど・・・」
俺は恐る恐る由紀恵に聞いてみた。
「ああーあいつね、今頃普通に野球の練習をしてるんじゃない。明日にはしっかり光莉に謝らせないとね!」
俺は女子達に連れられて保健室を出た。
するとカーンという金属バットの音が聞こえてきた。
光莉ちゃんはどうなったんだ?
さっきの女子の話しからして、もしかして俺になった光莉ちゃんはあの後野球部で練習してるのか?
俺はそんな疑問を抱きつつ校舎を出た。
それにしても女子のこのスカートって何だか落ち着かないな。
ガラスや窓に自分の顔が映る度に、自分が光莉であることを認識させられた。
もっとも俺が男の身体でこんな格好をしていたら、学校中から笑い者にされただろうが。

「はあー、女の子って意外と疲れるんだな」
やっと解放された俺はフラフラになりながら家に帰った。正確に言えば光莉の家だが。
幸いな事に他の女子達が俺を光莉の家まで送ってくれたので、家がどこにあるかすぐ知ることができた。
結局、さっきまで俺は普段話す機会さえない女子達と喫茶店でガールズトークを何時間もしていた。俺にはそれが永遠の事に思えた。
やれどこのお菓子が美味しいだとか、学校のイケメンの話しとか、ファッションの話題ばかりで、俺には英語の授業を真面目に聞いてる方がまだマシだった。
おかげで今日はクタクタだ。
「はあ疲れた」
俺は部屋に入るとベッドに身体を倒した。
女の子になっただけでも気が狂いそうなのに、その後は人生でするはずのないガールズトークをしていたのだ。
俺は布団にうずくまり今日の疲れを少しでもはねのけようとした。布団の柔らかさが今の俺にはとても心地良かった。
柔らかい布団の感触が今日の疲れた心を癒してくれるように感じた。それにこの匂いも・・・
「匂い?」
疲れから最初あまり考えていなかったが、俺は今女の子の部屋にいる。
しかもクラスのマドンナと言われた光莉の部屋なんだ。
そう思うと俺の心臓は急にドキドキしてしまった。
「よく考えるとこの匂いって俺から出てるんだよな」
部活の練習で汗臭くなった俺の部屋とは大違いだ。甘くていつまでも嗅いでいたい、そんな女の子の匂いだ。
俺は自分の腕や服の匂いを嗅いでみた、スースーと鼻で大きく息を吸い光莉の身体の匂いを嗅いでみる。
「もしかして香水とか付けてるのかな?」
俺は横になったまま化粧台の方を見た。
疲れ果てた光莉が布団に横になって、虚ろな目でこちらを見ていた。
「・・・なんかエロいな」
まるでグラビアアイドルを見ているようだ。
普段の彼女からは想像できない姿に、俺は興奮してしまった。

そして俺は自然に光莉の胸に手を置いていた。
ブレザーの上から胸を触ってみる。服の上からでも胸の柔らかな感触が手に伝わってきた。
「や、柔らかい」
その声と共に、俺は制服のボタンを外し始めた。
1つまた1つとボタンが外れ、光莉が着ている下着と肌が露になっていく。
下着姿になった俺は、もう1度鏡を見てみた。
白の可愛い下着だけを身に着けた光莉が映っている。その顔は凄くいやらしく感じた。
「ひ、光莉すごくかわいい」
そして俺はその下着をゆっくり外し始めた。
もうすぐクラスのマドンナの裸体が見られると思うと心臓がバクバク鳴った。
俺は目を閉じて手を動かした。少しずつ身体から密着していた下着が離れていくのを感じる。
やがて俺は最後の下着を身体から離した。

俺は再び目を開いて鏡の前に立ち、改めて光莉の身体を確認した。
細くて長い手足、くびれのついた腰、大きな胸、そして顔はクラスのマドンナである光莉だ・・・
その身体は制服を着ていた時より細く見えた。その一方で細いウエストに反比例して突き出た胸が実際より大きく見えた。
綺麗な胸、白くたわわに実ったその先端にはピンクの乳首がピンと上を向いている。
俺はそのピンクの突起を掴んでみる。
「あう!」
その瞬間ビクッと身体が震えたかと思うと、胸から全身へかけて強烈な電気のような快感が走った。
今度は優しく胸全体を揉んでみた。光莉の手を通して俺にそのふわふわした触感を伝えた。
そうしているうちに俺は自分の呼吸が荒くなっていくのが分かった。
「はあはあ、女ってここを触っても興奮するんだ」
光莉の身体の体温も少しずつ上がっていくのが分かる。

そして俺は自分の股がさっきより冷たく感じていることに気がついた。
「これって、濡れてる?」
女の子が興奮すると濡れることは知っていたが、まさか自分が体験することになるとは。
俺は股を少し開いて、中がどうなっているのか調べてみた。
年頃の女の子らしく陰毛が生えている。だがボーボーというより整備された公園の人工芝のように整っている。
もしかしたら光莉はここの手入れもかかさずやっているのだろうか? 見えない所でも・・・
俺はそんな事を想像しながら手で触ってみた。
興奮しているせいか、そこは他の身体の部分よりも暖かく感じた。
俺の手は導かれるように股間の中心へと移動していく。
クチュッとした音ともに目的の場所を触った。
男ならそこにはそびえ立つ男のシンボルがあるはずだが、女の子のそこには男とは真逆の穴が広がっていた。
しかもその穴は胸よりも敏感なのだ。
狭い入り口に無理やり指を入れていく。
「くう!」
指が奥へ奥へと入る度に、俺は喘ぎ声を大きくあげてしまった。
そして俺はその指を前後に動かしてみる。
クチュクチュと動かす指に合わせて、俺のあそこから水気を帯びた嫌らしい音が響いた。
「こ、これが女のオナニーか・・・凄い」
男とは違うその感覚に、今俺が光莉の身体に入っていることも忘れてその行為に没頭した。
「あ、あん」
快感の刺激が強くなるほど俺の手の動きも連動して速くなっていく。
そして快感が絶頂に達した。
「あーん!」
指を突っ込んでいた手は俺の噴き出した潮をもろにかぶり、べとべとになった。
俺は手をあそこから引き離して、その手を見る。そして鏡を見ながらその手をペロッと舐めた。

快感の余韻に浸りながら、俺は頭に不思議な感覚が引き起こされるのを感じた。
それは小さい頃の思い出だった。
近所の女友達とおままごとをしたこと、男子にスカートのパンツを見られて恥ずかしかったこと、初めて好きになった男の子のこと。
「こ、これって光莉の記憶か?」
それはとてつもなくはっきりしたイメージだった。まるで本当にそれらを体験してきたかのような。
そしてさっきの記憶のイメージも出てきた。
私は友人の手伝いをするために校庭へ出ていた。
すると向こうから男のが私の方に走ってきた。どうやらボールを追いかけているようだ、そしてその先には私が・・・
私は大きな荷物を持っていたので避ける暇もなかった。「え?!」と思った時にはその男の子に体当たりをされてしまった。
そして・・・
「私と入れ替わったのね」

次の日、俺はとても混乱していた。
オナニーをしてからかつての俺の記憶と光莉の記憶がごちゃごちゃになっていたからだ。
自分は男だった・・・その記憶に疑問すら感じ始めていた。
光莉の今までの記憶が俺のことを自分は光莉だとずっと囁いてくる。
「わたし、このまま光莉になっちゃうの?」
自分が自分でなくなっていくのは不気味なものだ。
俺は変わっていく自分に恐怖すら感じた。
だが、今の自分にそれをどうすることもできなかった。

学校を休もうかとも考えたが、悩んだ末に行くことにした。
手慣れた手つきでブラジャーのホックを止めその上に制服を着る。
そして入り込んだ髪をバサッと制服から出して鏡を見た、そこには誰がみても美少女の光莉しかいなかった。
昨日あれだけ興奮したこの姿も、今では当たり前の光景のように思えた。
学校に行けばあの身体に会える、そうすれば・・・淡い期待と知りつつ私は学校へと向かった。

教室に入ると皆が自分に挨拶をしてきた。
「おはよう光莉ちゃん、昨日は大丈夫だった」
女の子はもちろん、男子たちまで・・・
何だか嬉しい気分になった。挨拶だけでなく自分の身体の心配をしてくれる皆に私は心でとても感謝した。
しかし、いつまでもそんな気分に浸ってはいられない。
彼を探さないと!

私は知っていそうな子に質問をしてみた。
「ああ、あいつなら野球の練習してるんじゃないか?」
それを聞いて私は校庭を見た、野球部のメンバーがいつものように練習をしている。
昨日まで自分もあの中で練習をしていたのに・・・

私はグラウンドへ向かった。
運よく練習が一区切りついたのだろうメンバーはそれぞれ水分補給をしたり汗を拭って休憩していた。
そして私は昨日までの自分を遂に見つけることができた。
「はあ、はあ、探したわよ・・・」
私は息を切らしながら駆けつけた、昨日までなら何てことない距離なのに今ではマラソンをしてきた気分だ。
「ん? どうしたんだ? 光莉ちゃんがこんな所に来るなんて」
かつての自分があっけらかんと私に質問をしてくる。まるで昨日の自分を見ているようだ。
それはいつもの自分と大して変わらなかった。
「どうしたじゃないでしょ! ちょっとこっちに来て!」
私は無理やり人気のない所へ彼を連れて行った。
「なんだ? 光莉ちゃんあいつを連れて行ったけど、もしかして付き合ってるのか?」
後ろからかつてのメンバーが私を見て噂をしているが、それに構わず私は進んだ。

「ふう、ここなら大丈夫ね」
私は今使われていない教室にいる。
「ねえ、本当どうしたんだよ? 今日の光莉ちゃん変だよ?」
相変わらず素っ頓狂な事を言ってくる自分に腹が立ってきた。
「変? 変なのは私達よ。もしかして覚えてないの? 私達昨日入れ替わったのよ!」
うーん、と考えながら彼はこう言った。
「昨日って確か俺が光莉ちゃんとぶつかったんだよね、もしかしてそれで怒ってるの?」
「はい?」

「・・・ねえ、本当に覚えてないの?」
「だからごめんってば。昨日ちゃんと謝れなかったし、ほらこの通り!」
彼はペコペコと私に頭を下げた。
私は何がどうなってるのかもう分からなくなってしまった。
「ほら、許してくれ!」
彼が一生懸命に謝ってくるが、私にはもうそんな事どうでもよかった。
「分かったわ」
私は力のない返事をした。
「やった、ありがとう。じゃあ本当に昨日はごめんな。俺また練習に行かないといけないから、じゃあな!」
そして私はポツンと教室に取り残されてしまった。

私は目から涙が溢れてくるのが分かった。
自分は昨日まで男子で野球部員として過ごしてきたはずなのに、それが全部なくなってしまったように感じた。
私は教室に置いてあった鏡を見た。誰がどう見ても光莉だ。なのに自分だけが光莉でないと主張している。
本当は自分だけがおかしいのかもしれない・・・そう思ってしまった。

その時扉がガラガラと音を立てて開いた。
中に入って来たのは私の友達の由紀恵だった。
「どうしたの光莉ちゃん? こんな所で」
私は涙を急いで吹いて由紀恵に笑顔を作った。
「う、ううん、何でもないわよ。ちょっと考え事してて・・・」
涙声にならないように、私は必死でいつもの光莉を装った。
由紀恵は一瞬不思議そうな顔をしたが、すぐに笑顔になってこう言った。
「・・・そう、もしかして自分は昨日まで野球部員の男子だったんじゃないのか、とか考えてた?」
突然由紀恵は私が考えている事が分かるかのように話してきたので凄く驚いた。
「な、なんでその事を?」
私が驚いている姿がおかしかったのか、由紀恵は「ふふふ」と笑って説明を続けた。
「だって彼と光莉ちゃんを入れ替えたの私だもん」
「え?」
突然の告白に私は呆然とするしかなかった。
「どうして?って顔してるわね」
そう言って由紀恵は私の側に近寄ると、おもむろに私にキスをしてきた。
「な! 何をするの?」
私はいきなりそんな事をされたので、どうしていいか分からなかった。
「私、光莉ちゃんの事が大好きだったんだ。本当に愛してたの。だけどそれを告白したら光莉ちゃん私を避けるようになっちゃって」
「・・・だから私と入れ替えたの?」
「最初からあなたを選んだんじゃないわ。私は光莉に呪いをかけたの、次に光莉と接触した異性と入れ替わるようにってね。で、昨日あなたが幸運にも光莉と入れ替わったってわけ」
「そ、それが本当なら、あなたが光莉と入れ替わることもできたはずよ。何なら同性だってよかったはずだし」
「うふふ、単に入れ替えるだけならね。でもこの呪いの本当に凄いのは入れ替わった相手の精神を私の好きなように変えることなの。現にあなたになった光莉ちゃんはすっかりあなたになってたでしょ」
「それで光莉ちゃんは俺だと思ってたのか? ・・・あれ口調が昨日の俺に戻ってる?」
いつの間にか俺の口調は男の口調に戻っていた、それに今までの俺の記憶もはっきり分かった。
「どう? あなたの記憶を戻すことだって簡単よ。同性だと中々この力が使えないんだけどね。それにこんな事もできるんだから」
由紀恵は俺に指をさした、すると急に私は不思議な感覚に陥った。
私は由紀恵を見ると急に心臓が大きな音を立てるのを感じた。何だろう、とても愛おしく感じる。
そして私はあの日の事を申し訳ないと思いながら、由紀恵の側に近寄った。
「この前はあんなこと言って本当にごめんなさい、本当はあなたの事が大好きなの。ほらこれで許して」
チュッと由紀恵の口に私はキスをした、恋人同士がするような甘いキスを。
そして由紀恵は満足そうな表情で再び俺に指をさした。
「あ、あれ俺今どうなった? 急にまた自分の事を光莉ちゃんだと思って由紀恵の事が大好きになってそして・・・」
俺は今さっきの事が理解できずにいた。由紀恵の指が俺を向いたと思ったら急に思考が変わったのだ。
まるで操り人形のように・・・

「じゃあ、こんなのはどうかしら?」
また俺の精神が変わっていく。しかもさっきより変化が大きい。
「あうう、あれ? どうして私が目の前にいるの? じゃあ私は・・・」
「どうかしたの光莉ちゃん? クスクス」
由紀恵は笑いながら私を見ていた。
「光莉? 私は由紀恵よ」
何が起こっているのか分からない私に、由紀恵はコンパクトを渡した。
「わあ、私、光莉ちゃんになってる。すごい、じゃあこの胸も・・・あん」
そう言って私は胸を揉み始めた。
「お楽しみの所ごめんね」
由紀恵はそう言うとまた手をかざした。
俺は自分の胸を揉んでいる手を止めた。
「あ、あれ? 今度は俺、自分のことを由紀恵だと・・・」
由紀恵が手を俺にかざすだけで、俺は一瞬で自分が別の誰かに変えられてしまったのだ。


「これで分かったかしら?」
「そ、そんな・・・俺をどうする気だ?」
俺は由紀恵のその能力に驚愕した。今の彼女なら俺に何だってできるはずだ。
俺は足を震わせて次に何が起こるのか恐怖した。
しかも俺はその力に何もできない・・・

「うふふ、そう怖がらないで。あなたをイジメるなんて事はしないわ。私はただあなたと仲良くなりたいだけなのよ、もっと仲良くね。それをあの人にも知ってもらっておかないとね」
そう言うと由紀恵は扉の方に向けて手をかざした。
するとドタドタと慌ただしく足音が近づいてきた、そして扉が開くと俺になった光莉が入ってきた。
「はあ、はあ、これどういう事? 何で私が男子になってしかも野球をやってたの?」
息を切らしながら光莉は俺達の方を睨みつける。
どうやら今、由紀恵は光莉の記憶を戻したようだ。さっきまでの光莉とは全然違う。
「ふふ、野球の練習をサボってこんな所に来るなんて、ダメな部員ね」
由紀恵はそう言うと、光莉の方に近づいた。
「こ、これあなたが原因なの? 元に戻してよ!」
光莉は由紀恵にそう懇願するが、由紀恵は何事もないかのように説明した。
「私はあなたの事が好きだった、ずっとね。ずっと仲良くしたかったの・・・。でもね、あなたのおかげでもっと良いことを思いついたの」
そしてスッと光莉に手をかかげた。
「な、なにこれ動けない!」
急に光莉は凍り付いたように動かなくなってしまった。
「そこで見ているといいわ。私と新しい光莉ちゃんの愛をね!」
由紀恵はそう言うと俺にまた指を突き付けてきた。
俺は必死で自我を保とうと頑張ったが無駄だった。俺の精神が強制的に作り変えられていく。
しかも昨日オナニーをした後徐々に精神が変わったのと違って由紀恵は一瞬で俺達の精神を変えてしまった。
「や、やめ、あうう・・・。はあ、はあ、由紀恵ちゃん大好き。ほら一緒にしよう、ね?」
私はそう言うと服を脱ぎながら由紀恵へと迫った。
「ち、ちょっと止めて!私の身体で・・・」
光莉は声だけならまだ自由に出せるようだったが、身体は全然いう事がをきかないようだった。
かつての光莉の身体が操り人形のように由紀恵の好きにさせられていく。
「もうあなたの身体じゃないわ。新しい光莉ちゃんと私のものよ。あなたはもうクラスのマドンナの光莉でも何でもないの、ただの野球部の男子よ。しかもただのエッチなね」
そう言うと由紀恵も服を脱ぎ始める。

私は由紀恵が服を全部脱ぐのを待たずに、もう1度彼女の口へキスをした。
由紀恵もそれに合わせて私の口元へ唇を運んだ。
そして私達は口からチュウチュウと嫌らしい音を響き渡らせた。
キスをしながら私は由紀恵のブラを、由紀恵は私のブラを外した。
「由紀恵の身体凄く綺麗よ」
私は由紀恵の身体に見惚れた。私の身体ほどではないけどスラっとした身体に大きな胸・・・まさに私とお似合いだ。
「ありがとう光莉ちゃん、凄く私嬉しい」
キスをしながら私は自分の胸を由紀恵の胸に押し付けた。コリコリした由紀恵の乳首の感覚が胸に伝わってくる。
すると由紀恵は興奮してきたのか、息を荒げ始めた。
「んー、んー」

私は唇を由紀恵から離すと、次に由紀恵の胸にしゃぶりついた。
まるで赤ん坊のように乳首を吸い上げる。そして私は口の中で由紀恵の乳首を転がした。
「あああん、光莉ちゃん凄く気持ちいいわー」
自分の胸を吸われて喘ぐ姿に私はとても興奮した。
見ると昔の私になった光莉もチン〇をビンビンに立たせていた。ユニフォームの股間は大きなテントを張りその下の一物を強調した。
「い、いや! 何で私自分のエッチな所を見て興奮してるの?」
光莉は私達の光景を見て高まる性欲に我慢ができなくなっているようだ。
由紀恵はそれを見るとまた光莉に手を伸ばした。
「あ、あれ手が動く?」
急に光莉の手は自由に動かせるようになった。だが、それ以外の部分は依然身動きが取れないままだ。
「その手を使って、自分がもう光莉じゃくてただの男だと証明するといいわ。そして私達の愛情をしっかり堪能しなさい」
由紀恵はそう言うと、私のアソコを舐め始めた。
やがてぴちゃぴちゃと嫌らしい音が聞こえ始めた。
「ゆ、由紀恵ちゃん、私だめ、いっちゃいそう!」
私は高まる快感にすぐにでもイってしまいそうだった。
「な、何これ、手が勝手にあそこを」
見ると光莉は自分のチ〇ポを自分で握りオナニーをしていた。
男の性欲に抗えないのだろう、光莉の意思に反して性欲だけが手を動かしているようだった。
「何を言ってるのかしら、私は何もしてないわよ。それはあなたの意思でやってるだけなんだから私のせいにしないでよ、この変態!」
そう言うと由紀恵は再び私のアソコを舐め始めた。
「だ、だめ、いっちゃう!」
「わ、私も・・・!」
私と光莉は我慢の限界だった。
私は身体を大きく揺らし、光莉は手を大きく動かして、絶頂が来るのを待った。
そして
「ああーん!」
「いやー!」
私と光莉はほとんど同時にいってしまった。


まだ気持ちいい感覚が抜けきれないでいると、由紀恵が私の方へやって来た。
「この前の続きになるけど私と付き合ってくれる?」
由紀恵は私にお願いするように言ってきた。
私の答えはもうとっくに出ていた。
「ええ、喜んで! これからもよろしくね」
そう言って私は由紀恵と再びキスをした。



しばらく月日が経った

誰もいない教室

私は野球部の男子に呼ばれて、この教室にやって来た。
彼はそこで私達が入れ替わったと言っているが、私には何を言っているのかさっぱりだった。
「もういい加減にしてよ! 私これから友達の手伝いに行かないといけないのよ!」
「だから何度も言ってるじゃない! あなたは光莉じゃないの私が光莉なの! 私たち入れ替わってるのよ!」
そんな押し問答が続く。
すると教室の扉が開いた、入ってきたのは私の恋人・・・由紀恵だった。
由紀恵が現れると、彼は急に身体を震わせ始めた。
由紀恵は教室に入ると、私にキスをしてこう言った。
「私の恋人に何をしてるのかしら? うふふ、さあ今日はあなたたちをどんな風に変えようかしらね。光莉ちゃんはもっと気の小さい女の子にしようかしら、あなたを私にするのもいいかもね」
そう言うと由紀恵は手をかざした。


さらに月日が経った

カーンというバットの金属音が学校中に響く。
俺は飛んでいったボールを追った。
ボールは地面をコロコロと転がっていくとやがて誰かの足元で止まった。
「すいません、ボール取って下さい」
俺はその人に声を掛けたが、よく見るとその人物は光莉ちゃんだと分かった。
クラスのマドンナに1対1で会えるなんてラッキーだと俺は思った。
「ごめんな、ボールいいかな?」
照れながら俺は光莉にそう話しかける。
しかし、なぜか光莉はボールを持ったままで俺に返さない
光莉はジッとボールを見つめるだけだった。
すると光莉は不気味な笑みを浮かべて俺にこう言った。
「ふふ、今日はどうしようかしらね?」





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