何が間に合ったなのかしら?

作:夏目彩香(2003年3月28日初公開)


 

-- 夏目彩香の日記より


2002年10月18日(金)

週末の夜に友達と一緒にシネコンで映画を見てきました。彩香は映画を見に一人で行くのが多いから久しぶりに誰かと一緒になったんだよ。残念ながら彼氏ではないですけどね。いいも〜ん、彩香は席を空けてありますので(^-^;)(これって本当かな……ハハハ)

まずはチケットを買おうと思って、チケット売り場に行ったんだけど人がすっごく並んでいてね。結局30分ぐらいもかかっちゃった。始まるまで時間があるので、すぐそばにあるまたもスタバで時間つぶしをしたんだけど、今日は友達と一緒にモカ頼んで飲んでたよ。おいしかった。

でね。友達と一緒に話をしている間に隣の席に高校生の女の子が座ったんだよね。なぜ高校生かってわかるかと言うと、制服を着ていたからね。膝くらいまでのチェックのプリーツスカートに上はブレザーで、ブラウン系の色をした制服がなかなかかわいかった。

友達に聞いてみると、結構有名な学校らしくってね。女の子もすごくかわいかったよ。耳よりも少し長いくらいの所まで髪がすっと伸びて、化粧をしていない顔はどこかあどけなくて、二重の目とすっきりとしたまゆげに、均整のとれた鼻と口がうらやましかった。ちょっと顎が鋭い感じがしたかな。彼女はどうやら映画を見るために誰かを待っていたみたい。コーヒーを置きながらずっと店の外を気にしていたからね。

そのあとも何の気無しに友達と話をしていたけれどね。モカが半分くらいになった頃に、友達がトイレに行ったんだよね。彩香が一人残されちゃって、ちょっと寂しくなったけど、さっきの女子高生の方にちらっと目をやったんだ。彼女は待ち疲れたのか首をこくっとしていてね。今にも眠りそうだった。といか、眠っていたかしら。

そのとき、まるで雷が落ちてきたかのように寝ていたはずの彼女が突然起きあがってね。コーヒーが倒れそうになったから、思わず彩香が倒れないように手をだしたの。彩香の方にこぼれてきそうだったからね。

すると彼女はこっちを向いてなぜか睨むような顔で見てきたよ。そのあと口から出てきた言葉にびっくりしたよ。「ここはどこだ。」って聞くんだもの、シネコンの横にあるスタバだってわかってるはずなのに絶対変だったけど、彩香はちゃんと教えたよ。するとね彼女が「なんとか、間に合った。」って言ってすぐに店を出て行ったよ。彼女の言葉とは思えないくらいに汚い口調でさ〜最近の女子高生はわからないわね。

友達がトイレから戻ってきて、この話をしてたんだけど、映画の時間がはじまるからスタバをでることになってね。映画館の中に入ってみると、さっきの彼女と大学生ぐらいの男の人がそろって座ってるじゃない。しかも彩香たちは隣の席になってね。映画見ているあいだずっ〜と二人でいちゃいちゃしていたよ。

気になったから映画が終わってからもそのカップル?の行動を見たんだけど、映画館の外に出るや否や顔を見ることも無く別れていったみたい。映画館の中ではすっごく仲がよく見えたのに、おかしいわよね〜。結局、家に帰るまでその話ばかり友達としていたよ。映画の内容覚えてない〜





 

本作品の著作権等について

・本作品はフィクションであり、登場人物・団体名等はすべて架空のものです。
・本作品についてのあらゆる著作権は、全て作者の夏目彩香が有するものとします。
・本作品を無断で転載、公開することはご遠慮願いします。

copyright 2011 Ayaka NATSUME.







inserted by FC2 system