不思議なアプリ

作:ecvt


(うーん、どうしたものか・・・)
俺は考え込んでしゃがみ込んだ。
俺は確かに山崎幹雄という男のハズだ。
だが目の前のガラスに映る自分の姿は伊藤美沙樹のものだ。
ガラスに映る美沙樹は俺と同じようにガニ股でしゃがみ込んで悩んだ表情で口元に手を当てている。
ガラス越しではなく直接自分の姿を見るといつものスーツ姿の自分ので、勿論髪も長くもなくメガネもかけていない。
(やっぱりあのアプリは本物だったんだ・・・)
俺は先日、スマホのバナー広告を間違ってクリックしてしまって行ったサイトでダウンロードしたあるアプリのことを思い出していた。
それは、他人に自分をスマホで撮影した人物と認識させることが出来るアプリであるとのことだった。
先程、俺は為しに俺の上司、性格はキツいが巨乳で美人な才女、伊藤美沙樹課長をスマホで撮影し、ロッカールームでそのアプリを起動させてみた。

「・・・あれ?何も変わらないぞ?やっぱりインチキか・・・」
見ると何も変わらなかったので、軽い落胆の中オフィスに戻り自分のデスクに座った。
すると、同期の田中隆史が驚いた表情で俺に話し掛けてきた。
「あれ?なんでここに座ってらっしゃ・・・あ、はい」
話し掛けてきた途中で電話がかかってきたようで、田中隆史は不思議なものでも見るような表情を浮かべながらその場を去っていった。
(なんだよ、俺がここに座って何がおかしいんだよ、変な奴・・・)
不思議に感じながらも尿意を覚えた俺はトイレに向かった。
(あぁ、漏れそう・・・)
駆け足でトイレの扉を開けると、トイレにいた男達が驚いて声をあげた。
「うわっ、伊藤課長、な、なんで!?」
男達は慌ててズボンを上げた。
「えっ、えっ!?」
慌てて俺はトイレを出て一階のトイレに行ったのだが、同様のリアクションをされてしまい、すっかり尿意が萎えてしまった俺は、会社の裏庭に出た。

(うーん、どうしたものか・・・)
俺は考え込んでしゃがみ込んだ。
俺は確かに山崎幹雄という男のハズだ。
だが目の前のガラスに映る自分の姿は伊藤美沙樹だ。
ガラスに映る美沙樹は俺と同じようにガニ股でしゃがみ込んで悩んだ表情で口元に手を当てている。
(伊藤課長!?こ、これが俺!?)
ガラス越しではなく直接自分の姿を見るといつものスーツ姿の自分ので、勿論髪も長くもなくメガネもかけていない。
(やっぱりあのアプリは本物だったんだ・・・みんなには俺がこの姿に見えてるってことか・・・!?)
ガラスにはガニ股でしゃがんでいるのでパンティが丸見え状態の伊藤課長が不思議そうな表情でこちらを見つめている。
俺が右手を上げるとガラスに映る伊藤課長も手を上げ、ウインクをするとガラスに映る伊藤課長もウインクをした。
俺が立ち上がると伊藤課長も立ち上がった。
(俺はズボンを履いてるけど、このガラスに映る伊藤課長はスカートだ。その辺りはどんな風に連動してるんだろう?)
試しに俺がズボンの生地を持って上げると、ガラスに映る伊藤課長はスカートを捲り上げた。
(なるほど、こういう風に連動してるのか・・・!)
そのまま俺がグリグリと腰を回すと、ガラスに映る伊藤課長はスカートを捲り上げてパンティが丸見えの状態のままグリグリと腰を回した。
(伊藤課長、いやらしい・・・!)
俺がニヤニヤしながらガラスに映るいやらしい伊藤課長の姿を楽しんでいると、遠巻きに怪訝な表情でこちらを見て通り過ぎていく他の社員の姿がガラスに映っているのが見えた。
(ありゃ、でも、ま、恥ずかしいのは伊藤課長なんだから別にいっか!)
「ってことはこれも本物・・・」
俺はポケットを漁ってコンタクトレンズを取り出した。
これは何故かこのアプリをダウンロードした直後に宅急便で届いたもので、説明書には、このアプリの期間限定無料付属品であることが書いてあった。
(説明書通りならこれは・・・)
コンタクトレンズをはめてみると、軽い痛みと共に視界が一瞬白くなり、視界が戻って下を見ると、俺の胸には二つの大きな膨らみがあり、スカートを履いていた。
「やっぱり・・・あっ、声も・・・」
俺の出す声もいつもの俺の声ではなく、伊藤課長のものに変換されて聞こえる。
そう、このコンタクトレンズは、アプリが他人に認識させている映像や音声を、アプリを使用している本人にも認識させるものなのだ。
「ふふっ、なんか妙な感じだな・・・でも説明書が本当なら・・・クンクン、いい香り・・・」
俺はコンタクトレンズを通して目にかかって見える伊藤課長のロングヘアを持つと、香りを嗅いでみたところ、ほんわかといつもの伊藤課長の甘い香りが感じられた。
「やっぱり・・・なら・・・あんっ・・・」
俺は胸の二つの大きな膨らみに手を伸ばした。
すると、実際にはないはずの胸の重みや弾力ある感触が手を通して感じられたと共に、胸を触られる男の俺では感じた事のないなんともいえない甘い感覚が押し寄せてきた。
(はぁっ、これが女の・・・胸を触られる感覚かぁっ!)
(これ以上はさすがにマズいな)
裏庭から社屋に入った俺は、ドキドキしながら女子トイレの扉を開けた。
洗面台の鏡の前には何人かのOLが化粧直しをしていたが、俺が入っていっても特段騒がれず、大して気にとめる様子もなく、俺と目が合った娘も軽く会釈する程度のリアクションがあるだけで、俺は堂々と女子トイレに入ることが出来たのである。
(よかったぁ)
俺は確かめるように洗面台の鏡を見ると、鏡には心配そうな表情でこちらを見つめている伊藤課長の姿が映っていのでホッと一息つくと、そそくさと個室に入ったのだった。
個室の便器に座って一息つくと、安心感からか先程の尿意が俺を襲ってきたので、俺はスカートを捲り上げてパンストとパンティを下ろして放尿をした。
自分の、チ○ポのない股間からオシッコが出るのを見るのは妙な感じだった(変換されて見えるだけで、実際にはズボンとパンツを下ろして放尿しているのだろう)。
それからティッシュで股間を拭いているところでだんだん興奮してきた俺は、そのままオナニーに突入した。
(こ、これが女のオナニーの快感っ、男とは全然違う・・・あぁつ・・・イ、イクっ!!)
女のオーガズムを体感した俺はプシャアッと潮を吹いて絶頂を迎えた(実際には射精しているのだろう)。
(すげぇ快感だったな、そういや伊藤課長は得意先の会社でプレゼンして直帰のハズだからちょっと伊藤課長のフリをしてオフィスに戻ってみるかな!
個室から出た俺は、そのまま自分のオフィスに向かったのだった。
オフィスに着くと、俺は内心ドキドキしながら伊藤課長のデスクに腰掛けた。
そして彼女のデスクを堂々と漁って、まだ担当が決まっていない新しい取引先の情報をコピーすると、何食わぬ顔でコピーを持ち出した。
「だっはっは!これで田中の奴を出し抜けるぜ!じゃあこれを俺のロッカーに・・・おっと、アプリを解除しないとな!」
物陰に隠れた俺は、ポケットからスマホを取り出すと、例のアプリを閉じた。
すると一瞬で俺は元の姿に戻ったのだった。
自分のロッカーのカバンに資料を入れた俺は再びアプリを起動して伊藤課長に変身してオフィスに戻った。
「今日は私が最も信頼する優秀な部下である加藤君(自分)に重大な秘密任務をお願いしたから彼は直帰してもらうことにしました!それで加藤君に頼んであった資料まとめは田中君にお願いするわね!」
と言うと、俺は田中のデスクに自分が伊藤課長に頼まれていためんどくさい仕事の資料の束をドンッと置いてやった。
「え・・・あ・・・」
当然田中は不満そうだ。
(そうだ、田中の奴は確かこの伊藤課長に惚れてたんだっけ)
「田中くぅーん、おねがぁーい、貴方にしか頼めないのよぉ、うっふーん!)
伊藤課長のフリをして俺は田中の耳に息を吹きかけて胸の谷間をチラリと見せてウインクしてやった。
「は、は、はいっ!頑張ります!任せて下さい!」
興奮した田中は鼻息も荒くそう言ってガッツポーズをとった。
(あはは!単純な奴!)
「じゃ、出来たら加藤君のデスクに置いておいてね!じゃあ後はよろしくぅー!」
そう言った俺はオフィスを後にした。
エレベーターに乗ると、重役に課の部下はどうかと聞かれたので、俺はしっかりと田中の奴を酷評しつつ自分を絶賛しておいた。
(上司の信頼が厚い伊藤課長の言葉だからこれは効果あるぞ!)
ウキウキしながら俺はエレベーターを降りたのだった。


つづく?



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