富雄と千紗の悪巧み(第9話)
作:Tira


千紗はぐったりとして横たわる小阪先輩に近づいた。

「せ、先輩?小阪先輩?」

心配そうに見つめたその問いかけに「う、う〜ん……」と眉をゆがめ、少し苦しそうな声。
どうやら意識が戻ったようだ。

「だ、大丈夫……ですか?」
「う……イタタタ……」

険しい表情をしながら目を覚ました小阪先輩は、右手で後頭部を擦りながら上半身を起こした。

「イテェ〜。まさかこんな状態で気を失うなんてなぁ」
「……もしかして?」
「あ、ああ。富雄だよ」
「そ、そうなんだ……じゃあ小阪先輩は……」
「まだ気を失ってるみたいだな」

後頭部に薄っすらとタンコブが出来ているような気がする。
快感だけならよかったのに、痛みまで共有するのは辛いところだ。
しかし、しばらく打ち付けた後頭部を擦っていると、徐々に痛みも和らいできた。

「はぁ。それにしても、こういう形で表に出てこれるとは思ってなかったな」
「ほんとね、でもよかったじゃない。小阪先輩の体を自由に操れるようになったんだからっ!」

先ほどまで心配していた千紗だが、体(後頭部)にも問題なさそうな姿を見て嬉しそうに笑っていた。
ヤンキー座りというか、ちょっと両膝が開いた状態でしゃがんでいるので富雄から股間が丸見えなところが何ともいやらしい感じ。

「なあ。その……見えてるぞ」
「あっ、ごめんね。ちょっとはしたなかったかな」

千紗は悪戯っぽい顔でペロッと舌を出すと、膝を閉じて富雄から股間が見えないようにした。

「あのさ、そろそろ千紗の真似しなくてもいいと思うんだけど」
「え!?もしかして気づいてた?」
「だって全然しゃべり方が違うし」
「あは。そっか、あんまり気にしてなかったからすぐにばれちゃったね」
「もう千紗は寝てたの?」
「うん」
「じゃあ上手い具合に千紗の部屋に入れたんだ」
「私の部屋にいる子は皆すぐに寝ちゃったから。お姉ちゃんの部屋、鍵空いてたし」
「へぇ〜。そうなんだ」
「それにしても……小阪先輩の体でそのしゃべり方ってすごく違和感があるよね」
「そうかな?」
「何か私、興奮しちゃう」

どうやら千紗の体には妹の亜衣が入り込んでいるようだ。
そして、小阪先輩の体には富雄が。
二人とも、他人の体を使って話しているという奇妙な状況。

亜衣は小阪先輩の口から出てくる男言葉にちょっと興奮してしるらしい。
普段見ている小阪先輩とは、かなりのギャップがあるのだろう。

「はは、そうかな。それにしても小坂先輩ってスタイルいいよなぁ」

富雄は小阪先輩の目を通して、そのふっくらとした二つの胸や引き締まったウェスト、そして余分な肉がついていないほっそりとした足を眺めた。
その足の間から生えている、小阪先輩には似合わないムスコ。
頭を打って気が回らなかったが、こうやって小阪先輩の体を改めて眺めると萎えていたムスコがムクムクと大きくなり始めた。

「ねえ富雄さん。ちょっと湯冷めしちゃったから湯船に入ろうよ」
「え、ああ。いいよ」

亜衣の誘いに、二人して湯船に並んで浸かる。

「しゃべらないとすごく静かだね」
「そうだなぁ」
「ねえ富雄さん」
「ん?」
「結構小阪先輩に仕返しできたかな?」
「う〜ん、精神的に参ってると思うけどな。千紗自身が納得できたのならそれでいいと思うけど」
「私はまだ納得してないけどね」
「そっか、亜衣ちゃんも小阪先輩に色々されてたんだよなぁ」
「うん。でも、こうやって小阪先輩を富雄さんが動かしてると……かなり雰囲気違うな」
「……そう?」
「うん。外見は小阪先輩なのに……不思議な感じ」

そう言うと、亜衣は湯船の中、千紗の手を使って富雄のムスコを優しく握った。

「あ、亜衣ちゃん……」
「富雄さん。私、すごくドキドキしてる」
「で……でも、ちょっとヤバイんじゃ……」
「またお姉ちゃんとしたくない?」
「そういう問題じゃないような……」
「でもほら。お姉ちゃんの手で握り締めたら、すごく硬くなってるよ」
「それは……そうやって握られたら誰だって大きくなるって」
「ちょっとだけしようよ。私、小阪先輩になった富雄さんと……したいな」

湯船の中でゆっくりとしごかれると、気持ちよさが倍増する感じがする。
千紗の声を使って誘いをかける亜衣。
自分からは絶対に誘ってこない千紗に誘われるのは――

「ねえ富雄、ちょっとだけしようよ。私がフェラしてあげるから」
「亜衣ちゃん……」
「ほら、はやく湯船の淵に座ってよ」

亜衣がタイミングよく千紗のしゃべり方を真似して話しかけてくる。
その雰囲気は、本当に千紗のように思えた。

「い、いいのかい?」
「私がいいって言ってるんだからいいの。ほら」
「…………」

湯船に伸ばしていたほっそりとした足を折り曲げて立ち上がった富雄は、亜衣の言うとおり湯船の淵に座った。

「すごいね富雄。小阪先輩の太ももの間から生えてるなんて。いやらしいよ」

開いた太ももの間に移動した亜衣が、上目遣いで富雄を見つめる。

「私の口の中に出してもいいからね。この口で全部受け止めてあげる」
「亜衣ちゃん……うっ……あっ。はぁ、あっ、くっ」
「んっ、んっ……小阪先輩の切ない声って結構セクシーだね」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ん、ん、んん」

亜衣は千紗の口を使ってムスコをくわえ込むと、唾液を絡ませながら舌で舐めあげた。
そして頭を前後に動かし、フェラチオを続けた。
傍から見れば一人の女子生徒が湯船の淵に座り、もう一人の女子生徒が股間に顔を埋めてその腰に腕を回しているように見える。
それはまるでレズ行為をしているかのよう。
でも、実際は男と女の関係を行っているのだった。

「うっ。はぁ、あ、亜衣ちゃん……す、すごく気持ちいいよ」
「もっと気持ちよくしてあげる」

その言葉を聞いただけでは、やはりレズだ。
千紗のほっぺたがへこみ、ジュバジュバという音を立て始める。
ムスコを吸いながらフェラチオし始めたのだ。
尿道から白い分身達を吸い取るようなフェラチオに、富雄は極上の快感を覚えた。

「ん〜っ。んっ、んっ、んっ、んふっ、うんっ、んっんん」
「くぅっ……すごい……ああっ。そんなに吸い付いたら……も、もうっ!」
「んっ、ん、ん、んん、んん、んん、んっ」
「で、出るっ!うううっ!!」
「んっあっ……ん……ん……ん……」

富雄は、ビクッと小阪先輩の体を震わせてムスコから白い分身達を放出した。
それを残らず千紗の口で受け止め、コクン、コクンと飲み込んだ亜衣。

「はぁ、はぁ、はぁ」
「んっ……ん〜、ん〜。んふふ」

亜衣はちゅ〜ちゅ〜と尿道から白い分身達を吸い取ると、ニコッと笑って富雄に話しかけた。

「じゃあ今度は富雄が小阪先輩の体を使って私を楽しませてよ」
「……俺が?」
「そうよ。自分だけ気持ちいい思いをするなんてずるいじゃない。今度は私の番よ」

そう言うとザバンと立ち上がると、座っている富雄の横、湯船の淵を両手で掴んだ。

「小阪先輩にはバックから突いてほしいな。いいでしょ、富雄」
「あ、ああ……」

千紗の顔でウィンクされると、萎えかけていたムスコに力が蘇る。
湯船の淵から腰を上げ、亜衣が操る千紗の後ろに回りこんだ富雄。

「どう?後ろからの眺めは。ムチッとしたお尻もいやらしいでしょ」
「すごくそそられるよ」
「この体に、思い切りぶち込んでいいのよ。早く小阪先輩の体で犯して!」

信じられない事を千紗に言わせた亜衣は、その両足を肩幅より少し広く開き、膝を少し曲げつつお尻を富雄に突き出した。
とてもいやらしい姿だ。
そのお尻を両手で掴み、小阪先輩の股間から生えたムスコをゆっくりと千紗の中に入れてゆく。

「んっ!……はぁ〜」
「……入った」
「うん。んっ……しっかり奥まで入ってるわ」
「じゃあ動くよ」
「うん……んっ……んっ……あっ、あっ」

ゆっくりと腰を動かし始めた富雄。
俯くと、小阪先輩の胸の向こうに千紗のお尻があり、そのお尻の間をムスコが出たり入ったりしている。
自分が小阪先輩であり、その小阪先輩の体で千紗とエッチをしている。
何とも不思議な光景だ。
右手で千紗の腰を持ちつつ、左手で小阪先輩の胸の突起を摘んでみる。
すると、自分の体では味わえない快感が全身に広がる感じがしたのだった。
富雄でセックスし、小阪先輩でオナニーをしている。
男と女の快感を同時に味わっている気分だ。

「はぁ、はぁ、はぁ。これは……すごいっ!」
「あっ、あんっ、あんっ……い、いいよ。富雄っ!もっと、もっと!」
「こんなのって……はぁ、はぁ……」

パンパンとぶつかり合う肉の音が壁に反響している。
ここで誰かが入ってきたらどうなるだろう?
女子バレーボール部始まって以来の事件になるだろうか?

富雄が腰を振る度に、小阪先輩の柔らかい胸が規則正しく揺れ動いている。
その先の、固くしこったピンクの突起。
それは、小阪先輩の体も喜んでいる証拠だった。

二人の女性のハァハァという息遣い。
そして、時折聞こえる、潤んだ艶のある喘ぎ声。
他人の体で楽しんでいるという事実が、富雄と千紗の興奮を更に高めていった。

「い、いいっ……すごいよ富雄っ」
「千紗のアソコも……す、すごく締まるっ」
「だって……興奮しまくっているんだもんっ。こんなの、こんなのって……あっふぅっ」
「くっ……はぁ、はぁ……あ、あうっ」

全身に汗を滲ませながら、ひたすらに腰を振る富雄。
汗か何か分からない透明な汁が、千紗の太ももを絶えず流れていた。
ニチニチといういやらしい音が徐々に加速し、息遣いも荒くなってくる。
十分近く腰を振っていただろうか?
一度出しているムスコだが、そろそろ二度目の爆発を迎えそうになっていた。

「あっ……で、出そうだっ」
「あっ、あっ、う、うんっ!」

数回、千紗のアソコを締め付けてムスコを刺激した亜衣は、ヌルンとムスコを外すと、
すばやく体を反転させて富雄の方に向きなおした。
そして手でムスコをしごいて二度目を手伝うと――

「うっ……くっ……」
「はぁ、はぁ……あんっ」

白い分身達の勢いはまだ衰えていないようで、千紗の顔に飛び散った。
亜衣がその顔に付いた分身達を手で拭うと、口に含んでコクンと喉を鳴らせた。

「すごく気持ちよかった……」
「私も」
「でも最後までイケなかったんじゃない?」
「うん。でもすごく気持ちよかったから満足!また今度イカせてね、小阪先輩!」
「……ああ」


結局最後は他人の体で楽しんだだけで終わった富雄と亜衣だが、明日は更に小阪先輩を
追い詰めようと考えているようだ。
ただ、今は二人とものぼせてしまい、クラクラする頭で体を返しにいくのが精一杯だった――


富雄と千紗の悪巧み(第9話)……おわり




あとがき

さて。
確かTS解体新書1周年記念ということで投稿させていただいた千紗と富雄の悪巧みですが、一体
いつになったら終わるのでしょう(悲
も、もう三周年ですか。
toshi9さん、おめでとうございます。
早いです、とても早いです。

非常に長い期間書かずにいると、ストーリーを思い出すのにかなりの時間が掛かります。
いや、色々ありまして(笑

さて、今回は千紗と小阪先輩の体を使って、亜衣と富雄が楽しんでしまったわけですが、
小阪先輩に対してはある程度の仕返しが出来たのかと思っています。
逆に、いつの間にか亜衣に体を使われていた千紗は怒りそうです(笑
まあ、小阪先輩への復讐が叶ったということで許してくれるでしょうか?
そのあたりはまた次回に書き上げたいと思います。

それでは最後まで読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。
Tiraでした。

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